貧しい学生の「下克上受験」はアリかナシか?

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 2018年度より、返還不要の「給付型奨学金」制度が始まることが決定しました。児童養護施設出身など、特に経済的に厳しいケースの場合は、前年度から先行的に実施がされるそうで、その背景には、大学に入学したものの学費が続かずにやむなく中退しなくてはいけない学生や、無理をして奨学金で通ったものの卒業後の返済に苦しみ、衣食住が脅かされる若者たちの存在があるからです。

 この給付型奨学金について、上西小百合衆院議員は昨年12月19日にツイッターでこう発言しました。

「私は給付型奨学金については大反対です。幸せの前提がお金持ちだと言うのもどうかと思いますが、仮にそうだとしても大学行けばなんとかなるなんて甘い。稼ぐなら中学から働いたって稼げます。本当に勉強したいなら社会に出てからだってできます。親の見栄で無理やり学校に行かされる事がないように」

「平等に教育をなんて、給付型奨学金で解決するようなものではないどころか、その一助にもなりません」

 この発言に、ネットでは批判の声が相次ぎました。

「こういう人が議員だから、格差が拡充していく」

「親の見栄は関係なく、学びたくても学べない人はどうするんだ」

「貧乏人は学ぶなってことか」

「中卒の採用条件がどれだけ厳しいのか知っているのかな……」

 こうした反響に対して、都内で低所得家庭の学生に学習支援を行う団体の代表はこう話します。

「まず、中学時代に大学に行けるという選択肢がその先にあって高校を選べる子と、そうでない子とでは、未来の描き方に大きな差が出てきます。学びたいことがあっても、その段階で断念しなければならず、将来のビジョンをうまく描けなくなってしまう子どもも多い。どんな家庭の子でも、行こうと思えば進学もできるという選択肢の幅は持たせてあげたいものです」

 ただ、「大学に行けばなんとかなるというのは甘い」という意見には一理あるとも言う。

「今や、大学にはどんな学力の子でもたいていは入れる時代。大学に入ること自体を目的として、どこでもいいからといって入学するのには違和感があります。ですが、学びたいことがあり、目標を持って大学を志望しても、受験のためには高いお金を払って進学塾に行くのが一般的。受験対策にお金がかけられるかどうかで学力格差ができてしまい、奨学金を使って適当に入れるところに入るという学生が増えていくというのは、違うかなと。目標があって進学を希望する学生たちを何とかサポートする仕組みが社会の中でできていけばいいと思っています」

 2017年1月13日からは、中卒の父親が娘を中学受験させようと奮闘するドラマ「下克上受験」がTBSでスタート。塾に行かせずに受験に挑む家族が描かれるが、このように家族が受験を支えられる家庭ばかりではない。

 給付型奨学金と同時に、経済的に不利な条件にある学生たちが学ぶ意志や将来の目標を見つけたとき、社会全体で支えられる環境を整えることも大切なのではないだろうか。

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