吉永小百合が意識していた“伝説女優”原節子の「引退」

 9月5日に三回忌を迎えた伝説の女優・原節子(享年95歳)。小津安二郎監督の「晩春」(49年)や「東京物語」(53年)、成瀬巳喜男監督の「めし」(51年)や「山の音」(54年)、あるいは黒澤明監督の「わが青春に悔なし」(46年)など、日本映画界の名だたる巨匠の作品に出演し、その美貌で多くの映画ファンを虜にした彼女は、62年の「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」を最後に事実上の引退をした。絶頂期を過ぎたとはいえ、華々しい女優人生を歩んでいた42歳での引退の理由は、いまだに謎とされている。

 原節子のようにスターの座にありながら引退した女優というと、スウェーデンからハリウッドに渡って20~30年代に活躍し、35歳で引退したグレタ・ガルボの例がある。日本では、戦前から戦中にかけて満映のトップ女優・李香蘭として一世を風靡し、戦後は日本名に戻って女優を続けた山口淑子が有名だろう。芸能生活20周年の58年に結婚を機に女優業を引退した時は38歳だった。山口の引退記念映画「東京の休日」は原節子の呼びかけによって企画が成立したが、その4年後に原自身が引退したことを思えば、それが偶然だったかどうかはわからないという。

 その原の引退が女優人生に影響を与えた1人に、吉永小百合がいる。

「吉永は87年、市川崑監督の『映画女優』に主演しましたが、これは67歳で亡くなるまで女優業を全うした田中絹代をモデルにした作品。この時、吉永は原節子が引退した年齢と同じ42歳で、原のように引退すべきか、田中絹代のように女優を続けるかで悩んだそうです。結果的に田中絹代の道を選び、今では田中が亡くなった年齢を超えてトップ女優であり続けています。原節子がマスコミの前から姿を消して伝説のイメージを保ったとすれば、吉永は女優であり続けることで伝説を生み続けている女優と言えるかもしれません」(映画ライター)

 18年春には新作映画「北の桜守」が公開予定の吉永。まだまだその伝説は続きそうだ。

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