ついに視聴率が6.9%の危険水域に沈没! 月9ドラマ「カインとアベル」(フジテレビ系)が10月31日放送の第3話にて、早期打ち切りになりかねないほどの危機的な状況を見せている。この惨状に、主演のHey!Say!JUMP・山田涼介が数字を持っていないと戦犯扱いする声もあるが、真の責任者は別にいると指摘するのはテレビ誌のライターだ。
「やはり脚本家の力不足は明らかでしょう。山田が勤めるのは父親が社長、兄が副社長を務める総合デベロッパーで、バンコクの都市開発やアウトレットモール建設も手掛ける大手という設定です。ところがドラマ内で発生するトラブルはいずれも、大企業では考えられないお粗末なものばかり。こんな調子では視聴者が『大手企業の御曹司を取り巻く物語』というストーリーを受け入れることができないのです」
たとえば競争入札でゼネコンを選ぶ会議では、「付き合いのある所に頼めばいいのに」と語る山田に、上司が「相変わらずなんにも分かってないね、勉強しよう?」と説教。だが官公庁とは異なり、一般企業では関係の深い取引先に随意発注するのはごく当たり前のことだ。
その一方で地元建設会社の社長を門前払いするシーンもあるが、モール建設のような大型開発では地元の業者を下請けに入れるといった配慮をするのが常識。それが技術力のなさを理由に排除するという対応に、不自然さを感じた視聴者も少なくなかっただろう。
そして極めつけは、モール建設地に生息する野鳥の保護を巡っての環境保護団体とのやり取り。ここでも上司が団体の責任者を門前払いし、建設反対デモに発展する始末だ。これも環境保護が重視される現在にあっては、ありえない対応と言っていい。テレビ誌のライターが指摘する。
「これほど現実離れしたシーンばかり見せつけられると、何のために総合デベロッパーを舞台にしたのか理解できませんね。元ネタの韓流ドラマ版では総合病院を舞台にしていましたが、その設定をそのまま活かしたほうが、視聴者も受け入れやすかったのではないでしょうか」
まさか、山田に医者の役は似合わないという判断なのだろうか。ともあれストーリーに現実味がなさすぎる現状では、今後の視聴率回復を期待するのは難しいかもしれない。
(金田麻有)