状況が理解できないんだけど! 一部の視聴者から混乱の声があがっていたようだ。
2月23日に放送されたドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)の第5話では、主人公の小川市郎(阿部サダヲ)が、自分の運命を知ってしまう場面で幕を閉じた。だが作中に映っていたとある要素の影響で、市郎の心模様を掴めない視聴者もいたという。
前回、昭和から令和にタイムトラベルしてきた市郎は、犬島渚(仲里依紗)から父親のゆずる(古田新太/錦戸亮)を紹介されることに。心臓を患っている老人のゆずるだが、実は市郎の娘・純子(河合優実)の夫であり、渚は市郎の孫であることが判明した。
現在は都内で「テーラーINUSHIMA」を営んでいるゆずる。昭和の時点では故郷の神戸に店舗を構えており、市郎に背広を仕立てようと何度も招待するも、愛する娘を奪われたと怒り心頭の市郎はかたくなに神戸行きを断っていた。
だが業を煮やした純子が東京の実家から市郎を無理やり連れだし、神戸に連行。幼い娘(渚)は怖いおじいちゃんに懐かないものの、態度を軟化させた市郎は純子やゆずるとともに居酒屋で飲み交わしたのだった。
「店を出た市郎を純子が駅まで送っていくことに。その後ろ姿をゆずるは見送りました。その日は1995年(平成7年)1月17日の未明。かつて渚は市郎に、母親は阪神大震災で亡くなったと語っており、そのやり取りを覚えている視聴者は《ここで純子と市郎が亡くなるのか!》と驚きを隠せなかったのです」(テレビ誌ライター)
ところが、同じようにドラマを観続けていた視聴者の一部には、純子と市郎がここで亡くなってしまうであろうことに気づかない人たちもいたというのだ。
物語の流れをつかんでいれば自然と思い当たるはずなのだが、市郎たちの飲んでいた場所が混乱の元になっていたらしい。しかもその混乱は、特定の地域に住む視聴者を中心に発生していたというのだが…。
「市郎たちが訪れた飲み屋街には『ラーメン&カレー タブチ』という赤い看板が目立っていました。これは東京・高円寺のガード下にある食堂。安さと大盛りが人気で、高円寺芸人のお気に入りとして紹介される機会も多い有名店です。しかも付近の住民はガード下の風景を見慣れていることもあり、この飲み屋街が映った瞬間に『市郎たちは高円寺で飲んでるの!?』と混乱してしまったワケです」(高円寺付近に詳しいライター)
しかも、ゆずるが現在は都内に店舗を構えているという設定も、その混乱を助長したに違いない。そのため純子が市郎を送っていくシーンに「高円寺駅まで送るのかな?」と思った視聴者もいたわけだ。
神戸のシーンでは神戸らしい景色がほとんどなく、一方で飲み屋街の場面では高円寺を象徴する食堂が目立っていた。どうやら制作陣のなかには、高円寺で飲み歩いている人がいなかったのかも。