美の“絶対的カリスマ”アレンに見る“厚い唇”と“不自然な唇”の境界線とは?/美容整形「令和のリアル」
美容家・タレントの“アレン様”こと「アレン」いう存在を、美容医療はどう見るか。テレビで見ると賛否が分かれ、SNSでは「やりすぎ」という声がある一方で、美容好きの間では絶対的カリスマとして語られる存在なのが、アレンだ。もはやタレントというより、“自己プロデュースを極めた整形アート”を体現した存在。あの圧倒的ボリュームの唇、派手なパーツ構成、強い存在感…それでも不思議と「成立している」と感じさせる理由はどこにあるのか。「R.O.clinic(アールオークリニック)」(東京・渋谷区)の呂秀彦院長に聞いた。
M子:アレン様の唇って、明らかにボリュームがあるのに、意外と“破綻している感じ”が出ないんですよね。不自然と言われつつ、なぜか完成して見える。あれはなぜでしょう?
呂院長:唇が成立しているかは別として、全てはお顔全体のバランスです。唇以外のパーツが大きくメイクが派手なことで、唇が大きくなっていても、アンバランスに見えないのではないでしょうか。
X男:なるほど…。単体で見ると大きいけど、他も大きい。舞台メイク級のバランスで設計されているから、突出して見えないわけですね。
M子:“やりすぎ”じゃなく、“全体がやりきっている”から成立している、と。あのクラスの唇を形成する場合、ヒアルロン酸はどれくらい入るものなんでしょう? 一度に入れるのか、分けて調整するのかも気になります。
呂院長:元の唇の状態がわからないので何とも言えないのですが、仮にもともとが普通に薄かったのであれば、かなり多めのヒアルロン酸が入っているのではないでしょうか。ヒアルロン酸以外でも脂肪注入や真皮脂肪移植なども考えられますね。
M子:痛そっ!
近づけたい場合は、ヒアルロン酸より真皮脂肪
X男:アレン様は唇にヒアルロン酸を入れたことを公言してますが、一般的にはいわゆる“盛り”の奥には、複数の選択肢があるわけですね。
M子:でも、“厚い唇”と“不自然な唇”って、紙一重じゃないですか。その境界線ってどこなんでしょう?
呂院長:大きさと緊満感があるかどうかではないでしょうか。明らかに入れすぎていると唇の皮膚が膨らんだ風船のように自然なシワなどがなくなった状態ですね。
M子:緊満感! すごいパワーワード! 医師の立場から見て、“ここを超えると人工感が出やすい”というポイントはありますか?
呂院長:解剖的な形態が失われた状態です。例えば、目頭や目尻の形が尖りすぎたり丸くなりすぎたりすることですね。あとは口角が裂けていたり、鼻の鼻根部が異常に高かったりすることですね。
X男:つまり、“構造を無視したデザイン”が始まると、一気に違和感が出る。
M子:アレン様もカリスマ感は、人間力もあるのですが、もし一般の人がアレン様の唇に憧れた場合、そのまま再現するのは現実的じゃないですよね。要素だけを取り入れるなら?
呂院長:もし近づけたい場合は、ヒアルロン酸より真皮脂肪のほうが自然なボリュームが出ると思います。
M子:結局、アレン様の唇って、「大きさ」よりも「設計」の勝利なのかも。美容医療は「ナチュラル至上主義」に向かっていると言われる時代に、あえて振り切るという選択。私も入れてみようかな、風船っぽく。
X男:やめなさい…。
【 連載コンビ・プロフィール】
M子:美容と芸能のライター歴25年。誰もチャレンジしない時代に、女性誌で初めてプチ整形を体験取材した一人。美容整形への風当たりが強い時代から美容術の「今」を追っている。
X男:美容整形業界に長く在籍し、コーディネーターとしてTV・出版業界、芸能事務所、財界にも太いパイプを持つ。
