主演の阿部寛はもとより、歌手の吉川晃司や落語家の立川談春など、脇を固めるキャストの演技に注目が集まっているドラマ「下町ロケット」(TBS系)。あまり目立つ役柄ではないが、阿部率いる佃製作所の営業第一部部長として出演している中本賢の存在も忘れてはいけない。
中本賢と聞いても誰のことだろうと思う人もいるだろう。映画「釣りバカ日誌」で、ハマちゃんの隣人である太田八郎役を演じている俳優、もしくは元コメディグループ、ザ・ハンダースにいた「アパッチけん」と言えば通じるのではないだろうか。
中本はザ・ハンダースが解散した80年前後から俳優を始め、下町にいそうな兄ちゃん的ルックスとリアリティのある演技力からバイプレイヤーとして活躍。重宝されるようになった。映画「男はつらいよ」(松竹)にも出演し、各種2時間ドラマではもはや常連の顔だ。「中本さんは身長が176センチあるので、阿部さんや吉川さんと並んでも絵になる。しかも今回の舞台は東京の下町の町工場。中本さんがそこに立つだけで、いかにも下町の工場感が生まれます」(ドラマ制作スタッフ)
脇役でもキラリと輝く中本の演技や存在感は、舞台である町工場・佃製作所が持つ高い技術と同じだと言えそうだ。