7月に亡くなった三浦春馬さん主演の映画「天外者」の完成披露イベントが12月3日に大阪市内で行われ、共演者達が思い出を語った。
映画は幕末から明治にかけて活躍した五代友厚を中心に描かれる壮大な青春群像劇。公私ともに交流があり、坂本龍馬役を演じた三浦翔平は目に涙を溜め「(三浦春馬さん演じる)五代(友厚)がいて成り立った僕の龍馬なので、彼には感謝してもしきれない」と語った。さらに「どうか彼の熱量を、必死に生きた五代友厚の役柄の熱量を目に焼き付けて欲しい」と訴えた。
三菱財閥を築いた岩崎弥太郎役の西川貴教は「一瞬一瞬が本当に楽しくて、春馬を含め、みんなで過ごせた時間が宝物」と振り返った。
遊女・はる役の森川葵は「私がお芝居をするたびに『今のお芝居すごくよかったよ!』って必ずひと声かけてくださったんです。その言葉で『次のシーン頑張ろう!』って。最後のシーンのために4日間ぐらい食べるのをやめてたんですけど、『実は食べてなくて・・・』とポロッと言ったら『その意識がすごいよ』って言ってくださいました。一言一言が優しくて、私も『恥ずかしいから言わない』じゃなくて、春馬さんを見習って思ったことがあれば必ず伝えていこうって思いました」と三浦春馬さんが意識を変えてくれたことを明かした。
五代の母親・やす役の筒井真理子は「春馬さんのお母さんを何回か演じさせていただいたんですけど、また会えるのが楽しみでした」と明かした。三浦春馬さんの演技について「本番中はものすごいテンションで、ものすごい集中力で。春馬さんの目を見ているだけで、天才を見ているような感覚になって、そのまま“やす”にさせてもらったなって。ただ見守るだけで母親になれたんじゃないかなってありがたく思います」と賛辞を送った。
五代の妻・豊子役を演じ、三浦春馬さんとは高校の同級生だった蓮佛美沙子は本作では正式なオファー前に三浦春馬さんから直接「蓮ちゃんこの役やってくれない?」と言われたと明かした。「そういう経験がなかったので・・・、同級生の友達から『また一緒に仕事しない?』って。結果、夫婦役でまた一緒にやれたのは嬉しかった。現場でも教室にいるような感じでしゃべっていました。嬉しかったです」と目に涙を溜めながら振り返った。
ネットでは《叶うなら三浦さんの舞台挨拶を見たかった》《共演者の皆さんのお話を伺ってるだけで、すごく良い映画に仕上がってると確信します》《共演者の皆さんの思いを感じ泣いてしまう》《本当にまわりの人を気遣う、心のきれいな人だったのですね》など早逝した三浦春馬さんを惜しむ声と映画への期待の声があふれた。
ファンだけでなく、芸能界でも三浦春馬さんを失った悲しみが癒えるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。
(柏原廉)