一昔前には「ときめきメモリアル」「ラブプラス」といった男性向けの市場で賑わっていた恋愛シミュレーションゲーム。ところが、最近ではスマホの流通とともに、女性向け恋愛ゲームの人気がどんどん高まっているという。
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)が、今年5月「女性向け恋愛ゲーム」について20~30代未婚女性500人にアンケートをとったところ、以下のような結果が出た。
■これまでに恋愛ゲームをしたことがありますか?
ある:25%
ない:75%
■リアルな恋愛に疲れた時、恋愛ゲームは気分転換になると思いますか?
なると思う:74%
ならないと思う:26%
現在、恋愛ゲームにいそしむ女性は4人に1人の割合となっており、リアル恋愛にはない“癒し”や“刺激”をゲームに求める人も多いようだ。
実際、恋愛ゲームにはそうした「リアルでの実現が難しい展開」がてんこ盛り。都内で恋愛ゲームのシナリオライターとして働く34歳の女性・Kさんはこう話す。
「チョット危険な香りの男性に惹かれるけど、現実世界で危ない人に手を出して人生をダメにはしたくない‥‥そんな女性は多いと思います。だから、極道男子との恋愛ゲームは意外にウケるんです」
また、戦国時代や幕末を舞台に、歴史上の人物たちと恋愛を進めるゲームも多く見られるが、
「単に歴史好き女子をターゲットにしているだけではありません。自分の理想に向かって決死の覚悟で行動し、結果を残す男性というのは、女性なら誰でも惹かれるはず。でも周りを見渡すとそういう男性は少ない。だから歴史上の剣士たちは、女性にとってテッパンの『理想の男子像』なんです」
そう話すKさんは、毎日のように理想の男子との恋愛を妄想してはシナリオを綴っているという。
「だけど実は、彼氏いない歴7年(笑)。この仕事をやりはじめたら、現実の男性に物足りなさを感じるようになってしまったんです。恋愛ゲーム好きの女友達もみんな同様。一度やりはじめると、毎日理想の彼との恋の展開が気になって気になって、現実の男どころじゃなくなるみたい」(前出・Kさん)
憧れの恋愛や理想の男性像のイメージを固めるのに、恋愛ゲームは一役買ってはくれるかもしれないが、くれぐれも中毒になってリアルの恋愛がおろそかにならないよう注意したいものだ。