格闘家の秋山成勲が9月3日に投稿された元プロ野球選手の清原和博氏のYouTube動画に出演し、2006年に起こしたスキンクリーム“ヌルヌル事件”を振り返った。
秋山は、「秋山全ての真実を話す」とのタイトルが付された清原氏投稿の動画にゲスト出演し、15年前の「K-1Dynamite!!」で桜庭和志と対戦した大晦日の出来事を回想。その際、秋山は試合前に禁止されていたスキンクリームを全身に塗っていたことが発覚し、翌月に無期限出場停止のペナルティが科されていた。
試合中、桜庭は序盤から秋山の体をつかむことができず、異変を察知。すぐにタイムを要求し、秋山の肌が「滑る!」として審判に不正を訴えるも、聞き入れてもらえず、その後は秋山にマウントを取られて105連発のパンチを浴びる展開に。最終的に5分37秒でのTKO負けを喫し、後日、秋山の行為に対する抗議文を提出したところ、聴取の結果、クリームを使った不正が明らかになった。
格闘技界に激震が走ったこの大事件について、清原氏は「あくまでもアキが故意じゃないと、そういうつもりじゃなかったといっても、100%のうち1%は、ひょっとしたらあったんじゃないかな。(総合格闘家として)相手をつかめないということがどれだけのことか想像できると思うので」と指摘し、「潔く謝ったほうがいい」と長年の親友に謝罪を促した。
これに秋山は「1%でも、2%でも、10%でも、まず、もしかしたら(クリームで有利になる)というのは、自分の頭の片隅にあったのは事実です」と認め、「そのことがこういう大きなことを招いて、ずっと清原さんに対しても、仲間に対しても、桜庭さん、桜庭さんのファンに対しても、ずっと申し訳ない気持ちで生きていた」と後悔。また、この事件に関して15年にわたって言及してこなかった理由には「30そこそこでまだまだガキで、総合格闘技始めたばっかりで、もっと有名になりたくてっていう変な気持ちがあって、そういうカッコ悪いことを人に言うってことができなかったんですよね」と語っている。
「秋山は最後に『自分が100%悪かったです。もう何も言い訳ができません』とし、クリームを塗ることで有利に働くことを予め自覚していたのかとの質問にも『はい』と頷きました。素直に自らの非を振り返り、意図的であったことも認めた格好の秋山ですが、コメント欄には『言葉の端々に自分への甘さがある。この人は絶対に変われないね』『自分が100%悪いって、そりゃそうですよ、反則をしているのだから』『日本格闘技の歴史でも上位のスキャンダルですから、風化しないでしょう』などと厳しい声が殺到しました。
また、オープンガードの状態で桜庭に100発を超えるパンチを見舞っていた点についても『桜庭が死んでたらどうするん? よくもまぁ卑怯なことをして、桜庭を殴り続けられたな』『桜庭に残ったダメージのことを考えるとかなり大きい罪』『命に危険の及ぶ反則。この男を許すことはできない』とする声が相次いでいます」(テレビ誌ライター)
終始神妙な表情で反省の言葉を述べた秋山だったが、15年経過してからの告白であることや、YouTubeでの謝罪となったことにも違和感を覚える反応があり、「本当に反省してるならYouTubeじゃなく桜庭さんに直接謝るべき」とする指摘も出ている。
双方にとって、格闘家としてのキャリアに大きな支障をきたした格好の“ヌルヌル事件”。年数を経てもなお、秋山には大きな怒りが集まっており、まだまだ世間からの許しを得るには至っていないようだ。