元サッカー日本代表で現在はスポーツキャスターを務める内田篤人の“バッサリ発言”について、9月13日配信の「文春オンライン」が取り上げている。
内田は昨年8月に現役を引退し、今年3月より「報道ステーション」(テレビ朝日系)にてスポーツキャスターに就任。9月2日開催のW杯アジア最終予選第1戦・オマーン代表戦では、試合後に切れ味抜群のインタビューを見せたとして、同メディアは主将・吉田麻也とのやり取りを紹介した。
試合は格下オマーン相手に日本代表が0‐1の惨敗を喫するショッキングなものとなり、内田は「0‐1という結果ですが、どう感じていますか?」と吉田に問うと、その後も「本来なら結果がついてきてインタビューしたいんで、次はぜひ勝ってください」とコメント。かねて親交が深く、同い年の内田からのストレートな言葉を受けた吉田は「負けるべくして負けた」「全然よくなかった」と敗戦を振り返ると、最後には若干イライラした表情を浮かべつつ、「あの‥‥はい、頑張ります」とだけ言い残した。
この内田のインタビューにはネット上でも「結構辛辣だなぁ」「愛あるムチですね」「こういうインタビューのほうが選手のためになりそう」と様々な反響が寄せられていたが、同メディアはこうした内田の歯に衣着せぬ物言いについて「以前からすごかった」と指摘している。
昨年の引退会見において、海外リーグに挑戦する若手選手が増えている傾向に関して内田が述べた「行きたきゃ行けばいい、今すぐ。どうせすぐ帰ってくるんだろうなと思います」との言葉を“バッサリ発言”として紹介。日本と世界の力の差が広がったと考える内田は、若いうちにまず国内での実績を固めるべきとも主張しており、言い方にトゲはあるものの、日本サッカー界を盛り上げたいとする思いは誰よりも強い。
そんな内田の後輩思いな一面が垣間見えたエピソードとして、同メディアが着目したのは2018年の出来事である。
同年、古巣の鹿島アントラーズがクラブW杯でスペインの強豪レアル・マドリードと対戦し、1‐3と敗北すると、18歳だった安部裕葵は悔しさのあまり試合後に号泣。その姿を見た内田が「俺にはその気持ちがわかる」と涙を流していたとし、辛口コメントだけでなく、選手に寄り添う優しさも兼ね備える内田の素顔を伝えている。
「8年間にわたってドイツの地で活躍し、日本人として初めて欧州チャンピオンズリーグベスト4進出という偉業を達成している内田ですから、そうした辛口コメントにも説得力が伴っています。また、2日の吉田に対する辛辣質問については、その後にDAZNにて配信された冠番組『内田篤人のFOOTBALL TIME』の中で『言い訳していいですか?』と切り出して釈明。始めたばかりのインタビュアーという役割では『聞き方があんまり慣れてないので、ちょっと冷たく感じると思う』と述べると、あえて自身が『ちょっと厳しめぐらい』の言葉で問いかけることで、周囲からの吉田へのバッシングを緩和させる意図があったと説明。しかし、試合後に『吉田ごめんな』と連絡を入れるも、吉田からは『殴ろうかと思った』と明かされたそうです。
深い絆で結ばれている2人の“らしい”エピソードとなり、ネットでは内田の辛口批評に対して『地に足がついているっていうかリアリストなんだよね、この人は。しかもそれを発信できるからいいわ』『ファンが思っていることを実績者が口にすることで公に広がるので、今後も期待しています』『一見、優しそうなイケメンだけど、内面は男らしくて骨がある人だと思う』と好意的な反応がズラリ。激辛コメントを残したとしても、やはりそれに値するだけの圧倒的な実績があるという部分が評価されています」(テレビ誌ライター)
日本サッカー界のレベルアップのためにも、辛口インタビュアーとして活躍し続けてほしいところである。
(木村慎吾)