社会学者でタレントの古市憲寿氏が10月31日放送の衆院選開票特番「Live選挙サンデー」(フジテレビ系)に生出演。れいわ新選組・山本太郎代表にワクチン接種の質問をぶつける場面があり、ネット上で物議を醸した。
山本氏はまず、スタジオにコメンテーターとして出演した前大阪府知事の橋下徹氏と激しいバトルを展開。自身が掲げた「消費税廃止」案に関し、橋下氏から「山本さんの発信力は認めますが、山本さんの詐欺師的な主張に有権者の多くがだまされなくて本当によかった。日本国民は賢明だなと思いました」と辛口批評されると、すかさず「(詐欺的主張には)全く当たらないと思います」と反論。
消費税の廃止に伴い、低・中所得者の所得税が上がることも同時に告げる必要があったと主張する橋下氏に対し、山本氏は社会にお金を回すことで、年収300万円未満の層を減らしていく経済成長を行うべきだと訴え、およそ4分間にわたって、両者は白熱した議論を展開した。
そしてスタジオと山本氏との中継が残り30秒ほどとなった場面で、古市氏が「本来、個人情報なので、ちょっと、あの、聞きたくないのですが、政治家なので敢えてお聞きするんですけど。ワクチン打ちましたか?」と質問。「私自身は打ってないです」と返した山本氏に対し、すぐに古市氏が「それはどういう理由ですか?」と尋ねると、山本氏は「打つ人、打たない人の権限はそれぞれに委ねられるべきです。いちばんやらなきゃいけないことは、その、ワクチンによる影響をしっかり厚労省が表に出さなければならない、守られなければならない、打つ人も打たない人も」と説明したところで中継のタイムオーバーに。MCのフリーアナウンサー・加藤綾子からの“強制終了”が告げられた。
「生放送中の古市氏から山本代表へのワクチン接種の公開質問には、ネットでも『そういう発言が差別を生むんですよ。医療職者として、不愉快でした』『選挙特番でワクチン打ったかを聞く意味がわからない。打つも打たないも、強制ではない』『選挙に関係ない質問だよね?』『完全にワクチンハラスメント』などと、その意図が不明だとする声や、不適切な内容だとする指摘が出ています。
しかし、本来ならば聞かないが、『政治家なので敢えて聞きます』とした古市氏の含みのある表現もあったことから、『これは大事な質問です』『これ、ワクチン接種していないの知ってて質問してますよね』『古市氏の質問の真意は実はどこか別のところにあるのか』『古市さんは何を聞き出したかったんだろう』との声も聞こえ、山本氏がなぜワクチンを接種しなかったのかという最も重要な部分の説明が中途半端に終わったことを嘆く人も多かったです」(テレビ誌ライター)
残りわずか30秒という中で繰り出した古市氏の質問にはどんな意図があったのか。視聴者には多くのモヤモヤが残るやり取りだったと言えるだろう。
(木村慎吾)