今や技術も進歩してすっかりカジュアル化している「美容整形」を巡り、ネットなどで氾濫する怪しい情報から身を守り理想の整形を追求する当連載。美容オタクの女性ライター・M子と、美容クリニック業界のプロモーター歴30年のX男が迫専門医の解説も交えながら徹底トークする今回のテーマは「若い肌を手に入れる整形」である─。
M子:大地真央とか黒木瞳とか、すごくないですか? 美しいんだけど、まるでアニメ。「銀河鉄道999」のメーテルみたいで、キレイすぎるというか。
X男:あれね、女性は憧れるみたいでしょうが、ボク的には違和感があります。途中まではとてもよかったんだけど、ある時期から一線を越えてしまったというか…顔がピーン!としすぎていて、怖くないですか? 彼女の美容法はわからないけれど、海外の女優とはちょっと違うよね。例えば、ジュリア・ロバーツとかキャメロン・ディアスとかと比較してると、きちんと細かなシワやシミがあります。それなりに歳は感じるけど、なぜかめちゃくちゃ若くてかわいい。その全体的に醸し出す雰囲気が美しいんです。大地や黒木は、ピーンとした顔の若さ感は、一般の人から見ると“若い”と思われるかもしれないけど、総合評価できる次元ではないよ。何となくだけど、その違和感に皆さんも気づいているとは思いますけどね。
M子:よく女性誌では、美しい肌のことを「陶器肌」とかっていうけど、やりすぎるとアンドロイドみたいですもんね。
X男:そうそう!若い頃はどんな美容をやっても肌に勢いもあります。肌が上り調子だからいい結果が出る流れができてるんだけど、年齢的に肌の衰えが出てきたら加減が重要。肌が下降してきた時に、肌だけものすごくピンピンさせようとするのは無理があるんです。例えば、フェイスラインだけが引き上がっていて目元がしわくちゃみたいな。
M子:なるほどー。石田ゆり子とか、風吹ジュンとかは自然、違和感がない気がする。
X男:そう!だから石田は人気があるんじゃない?
M子:とはいえ、みんな何かしらケアはしているだろうけど。
X男:そうだね。女優さんだし何かしらの肌ケアはしてると思うけど、…とにかく加減とバランスが良い。だからあんな自然で若々しいイメージでいられるんだろうね。一般の方に人気なのは、最近は、耳のキワ部分だけを切ってリフトするミニリフト。手軽にできるし、糸を入れるスレッドリフトの種類も豊富になっている。
M子:とどのつまり、大地さんとか黒木さんとか、何やってるのかを知りたいですね。リフトアップやアンチエイジングのエステや美肌マシンであれぐらいピンとなるなら、やっぱり私的には顔を引き締めたい(笑)。私はアラフィフで、だいぶ顔のたるみが気になってるんですけど、ウルセラ(リフトアップを目的とするたるみ治療)とかサーマクール(高周波でたるみ、しわを改善する治療)とかを繰り返して、ああなりますの?最近流行りの顔を引き締めるマシンをつかったハイフ(高音波焦点式治療法)は効果的?
X男:マシンだけでピーンとさせるには、ちょっと無理があるけど、確実に言えることは、45~50歳で他人に見た目の若さで差をつけるには、実は20代からアンチエイジングとして美容外科が行う肌ケアをやっておく必要があるんです。美容雑誌の企画などでよく出てくるのが、“年齢を重ねたら美容クリニックへ行こう“的なアドバイスですが、そんなんじゃ遅い。20代後半からエステサロンではなく、美容外科的なマシンや注射をやっておけば、50代、60代で大地真央みたいなピーン!とした顔を維持できるかもです。まあ、いいのか悪いのかはさておき(苦笑)。
M子:切らないリフトアップで何とか顔のたるみを防止するには、20代からしっかりとケアするってことですね。で、40歳くらいからは逆に加減が重要ってことですかね?
X男:そのあたりは、「くさのたろうクリニック」(東京・品川区)の草野太郎院長に解説していただきましょうか。
草野:こんにちは。
M子:院長!?っていっても若くてイケメンですね。形成外科医として18年のキャリアをお持ちで、直近の5年間は昭和大学ブレストセンターで乳房再建をメインの仕事としてきたそうですが、やっぱり院長もアレですか、アンチエイジングのために、マシンとかしてますか?
草野:ボクの顔はどちらかというと痩せ型なので、やりすぎないよう、でもリフトアップのためにはたまにしてますよ(笑)。アンチエイジングは「パッケージ」と「中身」のバランスが重要なんです。パッケージは「皮」で中身が「脂肪や筋肉」なんですが、実は歳をとってくると中身が減るのが普通。にもかかわらず袋は萎んで伸びてしまう。なので、減ったところには何かを足しましょう、そして袋は引き締めましょう、これが若返りの秘訣です。逆に、脂肪吸引はNG。これが落とし穴で、太ったから脂肪吸引しましょう、というやり方だと、外側の袋はゆるんだままなので歳をとっているようにしか見えません。つまり、袋を小さくしなくては本当のアンチエイジングにはならないんです。その袋を小さくする簡単な方法が、美容マシンでの引き締めです。
M子:では、“大地真央さん的なたるみのない顔”にするにはどうしたらよいですかね?
草野:まず、たるみの治療は大きく分けると3段階ありますが、平たくいえば、 “マシン” 、“糸”、“切る”。その中で一番入り込みやすいのがマシンでしょう。“糸”や“切る”はその次の段階として、まずはどのマシンをどのタイミングでするか。そして、どこのクリニックを選ぶかも大切です。
X男:院長のクリニックはマシンの種類も多いそうですね。カウンセリングや技術的なことについてもまた、改めて詳しくご紹介しつつ、このテーマを深堀りしていければと思います。
【連載コンビ・プロフィール】
M子:美容と芸能のライター歴25年。誰もチャレンジしない時代に、女性誌で初めてプチ整形を体験取材したといっても過言ではない。そんな美容整形への風当たりが強い時代から美容術の歴史を追っている。
X男:美容整形業界に長く在籍し、コーディネーターとしてTV・出版業界、芸能事務所、財界にも太いパイプを持つ。