放送作家・鈴木おさむ氏が演出家・佐久間宣行氏のYouTubeチャンネルにゲスト出演し、「SMAP×SMAP(スマスマ)」(フジテレビ系)で起きた“伝説の瞬間”を振り返っている。
驚愕エピソードが明かされたのは、同チャンネルのさる11月18日付け動画。同回では、数々の有名番組を手掛けてきた鈴木氏の印象に残る「伝説の瞬間ベスト10」を発表するという趣向だったのだが、その6位に、作家として携わった「スマスマ」に世界的スター歌手のマイケル・ジャクソンがサプライズ登場した2006年5月31日の放送回を挙げた。
当時、たまたまマイケルが来日中とあって、鈴木氏はプロデューサーへ連絡し、すぐに仲介人とギャラ交渉へ。初めは「数百万円」を提示したが、仲介人は「マイケルに聞いてくる」「“No”だって」と何度も金額を釣り上げられ、いつの間にか「1000万円を超えたんです。1000万超えたらもう番組予算じゃない」と一気に跳ね上がった。
結局、「もうこれは制作費じゃなく、フジテレビから払う」と局をあげてのオファーとなり、交渉が成立。ただ、鈴木氏いわく、仲介人はマイケル本人にギャラ金額を確認していないことがバレバレだったといい、“吹っかけられていた”のだという。
また、SMAPメンバーにはマイケルの登場を事前に伝えず、サプライズで対面させることになったが、肝心のマイケル一行が2時間以上も現場に遅刻。SMAPをスタジオに留めておく必要があった番組スタッフは、普段なら絶対にしないようなあり得ない技術ミスをワザと連発したとか。
マイケルの遅刻を5人に伝えることができず、何度もカメラミスをして時間を稼いだが、鈴木氏が「メンバーがガチ怒りしちゃって…」と語ったように、何も知らされていないリーダー・中居正広や木村拓哉らのイライラが頂点に達してしまう。
そうした中、ようやくスタジオにマイケルがSPらを引き連れて到着。この時点で大遅刻だったが、楽屋に入ったマイケルが一向に出てこない。実は、番組出演に際し、マイケルの取り巻きから“ケンタッキー(フライドチキン)を用意するように”とのオーダーがあったため、楽屋に山のようにチキンを用意していたのだ。
「鈴木氏は、『SMAPを待たせてるのにケンタッキータイムが20分くらいあって…』と当時を回想。しばらくして楽屋から出てきたマイケルはSMAPの揃うスタジオに入り対面し、5人はすぐに少年のように『マイケルだー!』と機嫌を取り戻してくれたといいます。この珍エピソードについては、同じく放送作家の高須光聖氏も『スマスマ』プロデューサーから聞いた話として、2006年6月17日放送のラジオ番組『放送室』(TOKYO FM)で紹介。破格の高額ギャラを“吹っかけて”おきながら、現場に遅刻した上、到着した途端に取り巻きとともにケンタッキーを食べていたマイケルをイジりまくり。『マイケルが帰った後、楽屋見たら、畳の上が骨だらけですっごい汚い』『SPも、皆、口、テッカテカで…』と暴露すると、番組パーソナリティのダウンタウン・松本人志は爆笑しつつも、やりたい放題なマイケルや関係者には『腹立つわー』『ケンタッキーもその間の奴が食べたかっただけちゃうんか!』と憤慨していました」(テレビ誌ライター)
マイケル側からすると、“日本のテレビ局はチョロい”と思われていたのかもしれない。
(木村慎吾)