フリーアナ・古舘伊知郎にとって、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志は「ピカソ」であり、「類まれなる才能」と「人格」が「同等でなければならない」とする風潮には不満を抱いているようだ。
性的行為強要疑惑を「週刊文春」に報じられ、事実関係を争う裁判に注力するため芸能活動を休止した松本を巡っては、1月10日発売の同誌の「第2弾」記事では、さらに複数の強要案件があったと報じられた。その当日に放送された午後の情報番組「ゴゴスマ」(TBS系)にコメンテーターとして出演した古舘は、「少し違和感を感じる」点として「類まれなる笑いの才能を持ってる松本さんに対して、それと同等の人格を求める空気って、無いのかなと思う」と、芸人に品行方正を要求することにモノ申した。
また、松本は8日に自身のXから「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす」と、昨春までレギュラーだった情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)への出演を予告(※10日午後になってフジテレビが出演見送りを発表)していた。が、古舘は、松本の“ワイドナショー出演予告”について、「テレビ各局がまるで王様のように振る舞わせることを良しとしてきて、こういうことのきらい(不都合な流れ)が見えてきた瞬間に、あのXのリアクションは何なんだっていう意見もいっぱいありますよね。私も正直、思います。“何言ってんの”と。もし戦うなら記者会見を開かないといけないし。何をもって、中途半端に『ワイドナショー』に出るって言ってるんだと。もし本当に出るならですよ。もしそれが本当ならフジテレビもなぜそれを許すのか」と述べ、会見ではなく「ワイドナショー」出演をチラつかせた点には思うところがあるようだ。
ただ、一方で松本の笑いの才能については「笑いの印象派です。もっと言うなら、笑いのキュビスムです。ピカソの」と表現。続けて、「普通じゃない、“歪んだ”ところがこれだけ称賛されるビジネスをやってきて、いざこういう事が起きた瞬間に手のひら返しで人格も同等でなければならないっていうのはおかしな気がしてます」とし、一般的な感覚とは全く異なるところが松本の強みでもあると語っている。
「確かに松本の奇抜な発想力を基にしたお笑いの才能は、他を圧倒的に凌ぐものがあり、それこそが30年以上も芸能界のトップに君臨し続けてきたユエンでもあるでしょう。ただ、それが“王様のような振る舞い”となり、今回の醜聞に繋がっていたのだとすれば、法治国家である以上、やはり司法で裁かれるべき。それと才能の有無は別物で、ネットにも『単に不倫ならそこまで追い込まれてなかったと思う。でも芸能界での権力を盾に性行為を強要していたなら、それは才能で庇える問題ではない』『才能とか人格とかいう話に転化してはいけない。次元が違う』とする指摘がみられました」(テレビ誌ライター)
多くの芸人の不祥事を笑いに変えてきた松本ではあるが、自身にかけられた疑惑については、“笑いよりもまず裁判”という結果になってしまった…。
(木村慎吾)