新しいお笑いスターを発掘すべく従来の徒弟制度を見直して1982年に創設されたのが吉本養成所(NSC)。その1期生がダウンタウン・松本人志だった。スポーツ紙芸能デスクが言う。
「師匠と弟子という関係は芸だけではなく『芸能界のしきたり』を伝える場だった。先輩からの圧を受けずに育ったことでダウンタウンは成功したことは間違いない。しかし、師匠はいない松ちゃんも先輩芸人の前では、しっかり挨拶するなど敬う姿勢があった。お笑い界の先輩に対しては敬意があったということ。特にリスペクトしていたのは島田紳助です。かつて『松紳』(日本テレビ系)で共演した際には、番組タイトルが『自分の名前が先輩の上になる』とことをかなり気にしていたほど。松ちゃんが早期リタイヤ説をぶち上げたのも紳助さんからの影響が大きいはず」
性加害問題により裁判に注力するとして芸能活動を休止し、事実上の引退説が囁かれる松本。本人が引退について詳しく語っていたことを報じた記事を以下に再録する。(2023年3月17日配信)
お笑い界のトップ、ダウンタウンの松本人志がたびたびほのめかす“引退宣言”が、最近、また注目されている。
現在59歳。今年9月8日には還暦を迎える松本だが、最近は特に自身の引退時期について言及するケースが増えており、再三ファンをザワつかせている。
「直近では、2月24日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)で、『どこかで幕を引かないといけないので、自分でやめると思う』と前置きして、引退時期について『そこまで遠い世界の話でもない』と表現。相方・浜田雅功の身の振り方については『ダラダラいると思うで』としつつ、自らは『そんなに長くない。早ければ、もう、2年。遅くても5年かな』と語っていたのが印象的でしたね」(テレビ誌ライター)
これに出演者の千鳥・ノブは「(松本が引退したら)1回、お笑い界がエゲつないことになりますよ」と口にしていたが、松本が数字を出して引退時期を示唆したのはこれが初めてではない。
59歳になったばかりの昨年9月15日放送の「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)で、女優の加賀まりこから「60でやめるって言ってるけど、来年60じゃない?やめんじゃないの?」と、過去に番組内で口にした“60歳で引退”説について問われた。すると、これに松本は「ハッキリは言ってないですよ。何となくは言ったことはありました」と返答。
今やその60歳まで半年を切っているが、最近ではその期限を5年延長し、“65歳で引退”説へとシフトさせているようだ。21年1月時点で「ワイドナショー」(フジ系)でも「さすがに65歳でやめようとは思ってる」と語っており、「遅くとも5年以内に引退」とする「ツマミになる話」での宣言と大まかな時期が一致している。
「さかのぼれば、松本が31歳の頃に発売した著書『遺書』では、自身の芸人としてのピークを『まあ、いって40じゃないですか』と予測し、『そのあと、俳優だとか司会だとか、とにかく形態を変えてまで芸能界に残りたくない』『引退したいことはないけど、せなあかんでしょうね』と綴っていました。つまりこれまで松本は『40歳』『60歳』と引退時期を具体的に明言しつつ、59歳の現在は『遅くとも5年以内』と延長。松本自身“もう少しやれる”との思いがあるかもしれませんが、それでも、期限は徐々に近づいているのは事実。ノブが言う『お笑い界がエゲつないことになる』瞬間は刻々と迫っています」(テレビ誌ライター)
しかし、前述の「人志松本の-」では、引退について語る中、「コンビの解散もしてないし、浜田も死んでもない」と述べ、自分の希望だけで決められることでもないとの事情を口にしている。
“やめたくてもやめられない”というのが、前言を撤回し続けてきた松本が抱える人気タレントとしての大きな悩みなのかもしれない。
(木村慎吾)