「正社員として広報のお仕事をしながら、業務時間内でもフリーアナウンサーの仕事をさせていただけるというような形でお仕事をしていく予定となっております」
こう「新天地」での業務内容について語るのは3月末にテレビ東京を退社した福田典子だ。2016年から「モヤモヤさまぁ~ず2」の3代目アシスタントを務めていたことでも知られる彼女は、4月1日より医療関係のスタートアップ企業「株式会社SCOグループ」に入社。3日に行われた同社の「福田典子COC就任会見 成長戦略・新サービス発表会」に登壇した。そして、みずからの「COC」という耳慣れない肩書について、「『Chief Oral health Communicator』となります。口腔環境や歯のこと、そしてヘルスケアのことなどをより広く広めていく役割を担っていけたらと思っています」と説明。早くも入社3日目にして企業広報の顔を垣間見せていた。
キー局のアナウンサーから企業広報に転身した理由を話す場面もあった。21年に第一子を出産して健康への意識が高まったことが背景にあることを前置きして、「子育てで自分の時間が限られる中で、これまでの仕事で培ってきたものを生かして、健康とスポーツをメインで仕事をしていきたいと何となく思っていました。そんな時に(玉井雄介社長に)声をかけてくださったのがSCOの広報ブランディングで、そこで会社員をしながらフリーアナウンサーとして活動するという柔軟な働き方が世の中にあるんだと気づかされたのが1番の大きなキッカケですね」と転職の決め手を語った。
さらに、質疑応答の場面では、局アナ時代に転職サイトに登録していたエピソードまで飛び出した。
「転職をしたいと思っていたわけじゃないんですけど、どうにか働き方を考えなきゃいけないと思って、社内でいろいろ模索していた時に、ファミリーマート元社長の澤田貴司さんから『1回転職サイトに登録してみなさい。自分がどういう評価を受けるのかを知っていたほうがいい』とアドバイスをいただいて、転職するつもりがないのに転職サイトに登録しました」
ところが、アナウンサーの市場価値は、福田にとって、いささかショッキングな評価だったようだ。
「アナウンサーの仕事がどういう評価を受けるのか見てみると、年収ベースで200万円~300万円は下がる。会社員としての能力が秀でているというよりは、やっぱり伝えることに特化した特殊な仕事なので、『普通に』と言えば変ですけど、会社員として働いてくのってちょっと難しいのかなと。新しいことにチャレンジしたいけれども、『さて、何ができるんだろう』と思っていた矢先に声をかけていただきました。『そんな(企業広報とフリーアナを兼業)働き方があるんだ!』と驚きと感動があって、そこからしばらく迷いましたが、転職を決める時にはワクワクが勝っていました!」
ニッコリと笑顔を見せた福田は、今夏に開催予定のパリ五輪の取材にも意欲十分。そのキャリアパスがアナウンサー業界の新潮流になる日も近い!?