今年の春ドラマの中で、活躍をしているのが「お笑い芸人」たちだ。ここ最近ではドラマを中心に芸人が出演者に名を連ねることが多く、NHK大河ドラマ「光る君へ」ではロバート・秋山竜次やはんにゃ.・金田哲が活躍。また、「イップス」(フジテレビ系)ではバカリズムがメインキャストを担当し、「9ボーダー」(TBS系)には若手注目株のオズワルド・伊藤俊介が出演中だ。なぜ、芸人による俳優仕事が増えているのか?
「芸人はコントや漫才で役を演じることが多く、ヘタな若手俳優よりも演技がうまい。それにすでに顔が売れているので、ドラマの良いアクセントになるからとキャスティングされることが増えています。かつてはダウンタウンやとんねるずなど大物が俳優としてブレイクしましたが、現在は中堅芸人にも演技の仕事が来るようになり、吉本興業を中心にドラマや映画の仕事を増やしています」(民放関係者)
そんな芸人俳優たちの中で、今、密かにテレビ関係者の間で話題になっているのが、ダチョウ倶楽部の肥後克広だという。肥後は俳優として、今年に入ってから「舟を編む ~私、辞書つくります~」(NHK BS)、「ミス・ターゲット」(テレビ朝日系)に出演。さらに、生見愛瑠が主演を務め、6月18日で最終回を迎える「くるり~誰が私と恋をした?~」(TBS系)でも、記憶喪失になった主人公の主治医役を務めている。
過去にはNHK朝ドラ「ちむどんどん」などに出演している肥後。今年は特に俳優仕事が多くなり、演技でも一定の評価を得ていると言う。
「肥後さんは、『くるり』で演じる医師の井口太郎を丁寧に演じて好評です。独特な柔らかい雰囲気の役となり、スタッフの間では『森本レオさんにそっくり』と話題なんです。そもそも肥後さんは過去に森本さんのモノマネをさまざまな番組で披露していた経緯がある。肥後さんが年齢を重ねて、より顔が似てきたことで、TBSのドラマスタッフの間では『第二の森本レオ』だとの声が上がっているようだ」(民放関係者)
現在は高齢のため、ほとんど俳優としての仕事をしていない森本。肥後は、「第二の森本レオ」と呼ばれることに手応えを感じ、今後は俳優仕事をメインに活動していくつもりだとか。
「ダチョウ倶楽部は、上島竜兵さんが亡くなってから、残された2人のメンバーで番組に出ることは多くなく、肥後さんは今後の活動に悩んでいたようで、今回のドラマで演技が評価を得たことで本格的に俳優業に進出する意欲を見せているといいます。相方の寺門ジモンさんはグルメ仕事もあるし、肥後さんも心置きなく演技の仕事に集中できるという構図のようです」(スポーツ紙記者)
芸人による俳優仕事がブームの中で、肥後は意外なダークホースになるかもしれない。
(渡邊伸明)