“サイコパス芸人”と呼ばれるほど冷徹キャラの東野幸治だが、裏側では後輩芸人に対して人一倍思いやりがあるようだ。7月13日、ABCラジオ「東野幸治のホンモノラジオ」で、同期の今田耕司らを説教したという過去の出来事を振り返った。
東野が思い返したのは2011年1月に急性すい炎で入院し、体重が激減するほど衰弱したチュートリアル・福田充徳とのやり取りだった。その前年、2010年にも後輩の次長課長・河本準一がすい炎で入院しており、その際は多くの芸人仲間が病院にお見舞いに訪れていたといい、東野はふと「誰か福ちゃんの(お見舞い)行ってんのかな?」と心配に。「俺、いてもたってもおられへんようになって、見舞いに行ったんですよ。で、(福田に)『誰か来たんか?』って聞いたら『1人だけ来た』って」と、ほぼ誰も見舞いに来ていなかったという。
これに東野は「俺、もう涙をこらえるのに必死で。当時、今田耕司さん、雨上がり決死隊(宮迫博之、蛍原徹)の4人で『ノブナガ』(※CBCテレビで放送されていたバラエティ)っていう番組やってたから、オープニングで全員に説教しました。『河本のお見舞い行った奴、手挙げてみい』って言うたら、何人かが手を挙げて。『福ちゃんのお見舞いは?』って言うたら、誰も手を挙げん。『アイツ今1人で闘病生活送ってんねんぞ!順番に行け!』って」と当時の共演者を叱りつけたと明かしている。
「東野といえば、有吉弘行から『人の心にスタッドレスタイヤで踏み込む男』とのあだ名をつけられるなど、芸人の間では“心を忘れたサイコパス”と恐れられるほどの存在でした。また、家族全員で愛情たっぷりに飼育していたカメが死んだ際には、その亡骸を家族の目の前でゴミ箱に入れてしまい、娘を大号泣させてしまった“事件”も語り草になっています。一方で、19年に勃発した吉本興業の闇営業騒動では、緊急生放送となった『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、謹慎処分を受けていたスリムクラブや2700などの後輩コンビにも『会見をさせてあげてほしい…』『吉本社員も電話とかメールを1日に1回とか2回でいいんで(連絡を取ってあげてほしい)』と涙ながらにコメント。共に出演していたダウンタウン・松本人志も、まさか東野が泣くとは想像もしていなかったと驚いていました。今回の見舞いのエピソードを聞いても、後輩芸人への優しさが伝わり、年齢とともに“サイコパス感”は薄れつつあるようですね」(テレビ誌ライター)
1人で病と闘っていた福田にとって、忘れられないエピソードだったにちがいない。
(木村慎吾)