お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志と、その冠番組である「ダウンタウンDX」を放送する読売テレビの関係性は、日を追うごとに小さくない溝ができ始めているのかもしれない。
松本と代理人・田代政弘弁護士は、性加害報道をめぐる、7月11日放送の同局系「情報ライブ ミヤネ屋」内でのコメンテーター・おおたわ史絵氏による発言を「不適切な偏向報道及び事実に反する内容の報道」だとして抗議した。
具体的には、松本側が「ありとあらゆる手段を使って(告発者の)A子さんの出廷を諦めさせようとしている構図だけは、はっきり私にも分かってる感じ」というもので、他に同局アナが口にした録音音声の有無についての発言も問題視しているという。
松本は7月12日のXで、この抗議文を貼り付けて投稿。読売テレビへの不満を示した格好だが、これを受け、同局・松田陽三社長は25日に出席した会見で「抗議文の中身を拝見いたしますと、ちょっと事実関係で誤解があるのかなという気がしております」「番組内での訂正の予定はありません。報道局でも訂正する必要はないという判断です」とコメント。松本側の抗議による訂正はしないとの姿勢を示したのだ。
思い返せば、松本は今回の騒動当初の1月17日、読売テレビの当時の社長・大橋善光氏(現会長)からも、詳しい説明をしないまま活動休止を発表したことに対して苦言を入れられていた。
大橋氏は、松本サイドから説明がなかったことについて「困惑しています。(同局の『ダウンタウンDX』の今後を)どうするべきか慌てている状態で、視聴者に申し訳ないし、どうお詫びをしようかという思い」と述べ、「何が起きていて、どうなっていくのか。客観的に知りたい。個人的には会見などの形である程度、明らかにしていただくのが好ましい」と述べていた。
「結果的に相方・浜田雅功が1人でMCを務めるという形で番組は継続していますが、松本の穴は大きく、笑いの面でパワーダウンしているのは明白です。全くの冤罪なのに活動休止に追い込まれたのであれば同情の余地はあるものの、妻子ある立場ながら女性とホテルで宴に興じていた点は事実で、それだけでも女性層を中心に拒否反応が見られます。また、読売テレビ前社長の“会見が望ましい”発言や現社長の“訂正の必要なし”表明を見ると、同局と松本の間に徐々に溝が広がっているようにも思われ、放送30年の長寿番組が終了する予感さえしますね」(テレビ誌ライター)
松本側だけでなく読売テレビも、わだかまりを抱えている状態だといえそうだ。
(木村慎吾)