8月31日、9月1日に、日本テレビ系で放送される大型特番「24時間テレビ」に様々な逆風が吹いている。
「まず系列局幹部による寄付金着服の問題が発覚。加えて昨年10月期放送のドラマ『セクシー田中さん』の原作者が急死した件を巡る不手際が大きな批判を受けています。局内でも今年は休止すべきだという声もあったほどなんです」(スポーツ紙記者)
そこへ、現在猛威を振るっている台風10号。これまでにない厳戒態勢の中で放送しなければいけない状況なのだ。
「『24時間テレビ』は毎年夏に放送しているので、もちろん台風の上陸も想定されて番組は準備されてはいるんです。ただし、今回の台風10号は史上最大規模で、しかも不確実な動きをするとも報じられています。全国的な災害も予想され、関東にも『24時間テレビ』の放送日付近に接近してきます。番組恒例のチャリティーマラソンで女性芸人・やす子が走る予定ですが、屋外での撮影は難しくなる可能性があり、避難の呼びかけや災害情報を放送しなければいけません。ただでさえ時間配分のコントロールが難しい番組なのに、災害のニュースまで差し込むとなると大混乱に陥り、放送事故を引き起こす可能性もあります」(民放関係者)
また、東海道新幹線など交通機関が運転見合わせとなることも十分考えられ、都内で開催されるコンサートやイベントが中止となる可能性も出てきた。となると、例年、生放送会場の両国国技館で一般観覧を受け付ける予定の『24時間テレビ』は、客を入れることもバッシングの対象になるのは間違いないだろう。
「一般観覧以外にも、チャリティーマラソンの企画では、やす子と一緒に走る市民ランナー約1000人を募集。こうした一般参加者ありの観覧や企画は、大幅な見直し、場合によっては中止となるかもしれません。それに、例年なら企画に参加した芸能人が、番組の途中で募金を持って会場に訪れていますが、そうした演出も不可能になり、ギリギリになって根本から番組の構成を変える必要が生じるかもしれません。西日本で台風の被災者が出た場合を想定しても、日テレの系列局は本当に台風のニュースを削るような形で放送していいのか、判断がかなり難しくなりそうです」(前出・民放関係者)
キー局の編成担当者があとを引き取ってこう話す。
「今回の放送では、『愛は地球を救うのか?』という自虐的なテーマで放送すること自体、視聴者から冷めた目を向けられています。それでも、強行突破で放送して、やっぱり台風の影響で番組絡みで人的被害が出た、などということになれば、今後の番組存続にとって致命的な事態でしょう」
これまでも「偽善番組」「感動の押し売り」などと散々な言われようだった過去のある「24時間テレビ」。今回の大逆風に、はたして耐えられるのか。
(渡邊伸明)