9月25日放送の「ワルイコあつまれ」(NHK)にゲスト出演した坂上忍は子役時代、「泣く芝居」が得意だったと明かした。
2歳8カ月でデビューした坂上は、幼い頃は「いつでもどこでも泣けた」と言い、その理由を「昔はスタッフさんとかが怖かった。どこの現場に行っても居心地が悪かった。明るい気持ちでは現場にいられないから、暗い方向の芝居だったらいくらでもできた」と振り返った。
また、9月28日放送の「喫茶しのぶ」(日本テレビ系)では、大竹しのぶ、お笑いコンビ・シソンヌ長谷川忍と一緒にMCを務め、ゲストの光石研に「いい芝居って何ですか?って聞きたかったの」と問題提起。坂上と光石は、自分が「良かった」「いい芝居ができた」と思った時ほどあまり評価されないと意見が一致した。さらにもう1人のゲストだった劇団ひとりは、自身が役者も監督もすることから、「(演技が)上手いんだけどイマイチって人が一番困っちゃう」と発言すると、長谷川を除いた4人が「わかる」「そうなんだよ」などと大きくどよめいた。
大竹が「(上手いけれど)つまんない人もいるし、ヘタだけどいい人もいるし」と言うと、いきなり坂上は立ち上がり「それが一番腹が立つ!」と声を荒げた。さらに「だって何年もやっててヘタってどういうことなんだ?ヘタ可愛いってあるじゃない?可愛いんだもん!だけど、上手いってなっちゃうと鼻についたりするんですよ。でも何十年もやってたらね、多少は上手くなっていいんじゃないですか?ってオレなんか思っちゃうわけ!」と身振り手振りをつけて大声でイッキにまくし立て、共演者から拍手されたことで溜飲が下がったのか、やっとそこで落ち着きを取り戻したようだった。
坂上の話をうなずきながら聞いていた劇団ひとりが「人気のある役者さんて1個違うんですよね。そこってだから演出じゃどうしようもないというか、その人の生き方とか考え方が画面に出てきちゃうから。まぁ、今の時代は合わないかもしんないけど、飲む、打つ、買うじゃないけど、そういう生き方をして来ないと、たぶんこの感じは出ないんだろうなというか。芸事っていうのはねぇ…」と話している間、坂上は喫茶店の赤いイスに座りながら、ずっと小さくうなずき続けていた。
番組の前半では、光石に対し「普通の人の顔をしてる」「こんな顔、オレにはできない」などと洩らしていたが、「ヘタ可愛い」も坂上にできないことだからこそ、いきり立って熱弁したのだろう。
坂上の頭の中には「ヘタ可愛い」演技をする、何十年も役者をやっているのに上手にならない役者の顔が浮かんでいたようだが、その人の名前は私が考えている人と同じだろうか…。
(森山いま)