突然の引退表明で、「中居ヅラ」と呼ばれる中居正広のファンが意外な点に着目している。中居は1月23日の午前、自身の有料コミュニティサイト「中居ヅラ あの子たちに…、」で真っ先に引退をアナウンス。サイト用と一般メディア用には文末の「ヅラの皆さん 一度でも、会いたかった 会えなかった 会わなきゃだめだった こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。さようなら…。」を、時間差でリリースした。
中居引退は、緊急ニュース速報で流れるほど芸能界と株主も揺らした。当日午後にはフジ・メディア・ホールディングスの金光修社長がメディア向けの記者会見を、同日夕方にはフジテレビの港浩一社長が社員説明会を開き、ニュース・情報番組では終日この件を伝えた。
Xでは、「中居正広」の関連ワードがトレンドを独占。「#中居ヅラ」も入った。“ヅラ”とは、中居がパーソナリティーを務めていたラジオ番組「中居正広 ON&ON AIR」(ニッポン放送)で、2019年に自身が命名。中居のことを知ったかぶりして、ファン面(ヅラ)していることとカツラをひっかけたもので、ユーモアと愛着を持った造語だ。
そんな中居ヅラは、突然突き付けられた永遠の別れにうろたえるばかりだ。熱狂的ファンは、SMAP時代の20年から30年以上も支えてきた運命共同体も同然。Xでは、SMAP時代の仲睦まじい5人の姿が動画で多数貼付された。本人の“言葉”で「さようなら」を聞けない悲痛な思い、女性トラブルの真相や謝罪なく目の前から去られるつらさが多く書き込まれた。
そんな中、「中居ヅラ あの子たちに…、」の中だけで配信されたはずの文面が、テレビやネットで出回ったことに憤りを覚える中居ヅラも多かった。
〈あれは、会員の私たちヅラだけに宛てたもの。平気で漏らされたくない〉
〈今まで表に出ることがなかったサイトなのに、こんなときだけズルい〉
ほかにも、「#中居くん帰ってきて」「#一生中居くん」「#中居くんを守りたい」「#中居くん大好き」「#中居くん頑張れ」といったハッシュタグに紛れて、「#文春廃刊」もあり、「そこ?」と疑問のツッコミを入れるネットユーザーが多数。一方で、中居と共演した多くのタレントが口をつぐむことに違和感を覚える声もある。古参の芸能レポーターは言う。
「憶測、本人が何も言っていないからという理由で、これまでさんざん中居ネタをしてきた芸人、ジャニ時代の同僚や後輩が口裏を合わせるように口を閉ざしています。情報番組で話題を振られた者しか発せない風潮も、これを機に変わっていかなければなりません」
中居×フジ騒乱となった1月23日は偶然にも、元SMAPメンバーの木村拓哉が19年ぶりに山田洋次監督の新作映画「TOKYOタクシー」(11月21日公開)に出演することが、東京都内で行われた発表会で明らかになった。また、同じく元メンバーの香取慎吾の主演ドラマ「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」がフジテレビ系で放映された日でもあった。
SMAPのその後の運命は、まさに明暗が分かれた。
(北村ともこ)