「大食い番組は生き残っている」元テレ東局員が語るも、5月特番に批判噴出
「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」といった経済番組にディレクターとして携わった元テレビ東京局員の下矢一良氏が、自身のYouTubeチャンネル「下矢一良の正直メディア」を更新、「一体どうして? 昨今大人気だった大食い番組が続々と終了している理由を元テレ東局員が解説します」と題した動画を公開した(7月8日付)。
かつてテレビ東京を中心に活況を極めた大食い番組の転機は、2002年に起きた愛知県の中学生による痛ましい事故だった。中学生が大食いを真似して、給食のパンを喉に詰まらせ窒息死したのだ。
さらに下矢氏は、大食いブームが下火になった原因として「出場者の健康リスク」「フードロスを謳う時代に無駄な大食い」「各局にコンプライアンス部門が立ち上がり、出演者の苦しんでいる姿を見せない内部規制」といった複数の要因が重なり、「大食い番組は激減した」と解説する。
もっとも、大食い番組が完全に消滅したわけではない。下矢氏は続ける。
「昔は早食い・大食い。それだと出演者の健康に負担がかかるとか、吐いたりとか、放送に不適当な映像になっちゃうというところで、今はゆっくり多く食べるとか、大食いで使った分の食べ物を社会貢献で寄付するとかですね。いろいろな配慮をしながら、大食い番組はしぶとく生き残っている」
去る5月5日には「最強大食い王決定戦2025」(テレビ東京系)が放送されたが、再び視聴者から批判的な声があがった。出場者がなりふり構わず口いっぱいに頬張ったり、箸を使わずに直接皿に口をつけて食べたりするなど、マナーに欠ける映像のオンパレードとなり、「食べ方がまじで汚くて見てられん」「最近の大食いってこんな汚く食べる人ばっか出てるの? 見てたら食欲失せた」といった声が相次いだのだ。
「大食い王決定戦」で知名度を高めたタレントのギャル曽根は、現在もバラエティ番組「有吉ゼミ」(日本テレビ系)のチャレンジグルメコーナーに出演し、食べ方の美しさで高い評価を得ている。
今後は「早く」よりも「美しく」食べることが、大食いに課せられた必須条件となりそうだ。
(所ひで/YouTubeライター)
