「LINEする時間あるなら今から会おうよ?」がドン引きされる理由
言っている本人は親しみを込めていても、言われた側はうんざりしがちなフレーズに「LINEする時間あるなら今から会おうよ?」というものがあります。それはいったいなぜなのでしょうか?
つい先日、筆者が知る20代女性が40代女性からこのメッセージを受け取り、「なんで!?信じられない!」と憤慨していました。40代以上には悪気なく発する人も少なくないものの、年下世代からは距離感の詰め方に違和感をもたれやすいフレーズのようです。
この言葉は、「会ってコミュニケーションを取るのがよい」という価値観が前提になっています。つまり、いわばアナログ世代的な発想といえます。
今の40代以上は対面でのやり取りが当たり前だった世代なので、「会えるなら会おうよ」と自然に考えがちです。しかし、20~30代は少し異なります。オンラインとオフラインを切り替えるのが一般的で、「気軽に連絡できる」は「気軽に会える」ではないという前提があるのです。
そのため、受け取る側にとってこのフレーズは唐突に感じてしまい、価値観の違いがそのまま違和感として浮かび上がりやすいのです。

LINEはスキマ時間でもできる行動ですが、会うとなれば準備も移動も必要な“イベント”となります。だからこそ、このフレーズはときに相手の時間の使い方に対して踏み込み過ぎている印象を与えがちなのです。
同じ40代以上の世代でも価値観が異なれば抵抗を覚えますし、相手が年下世代となればなおさらでしょう。たとえ善意のフレーズだったとしても、相手のペースを無視しているように受け取られやすい点には気を付けたいところです。
さて、かくいう筆者も40代後半世代。コミュニケーションにおいて、「会えば早い・直接話すほうが伝わる」といったアナログな価値観がいまだに残っています。けれど、今の若い世代には「オンラインで完結できるならそれで十分」というスタンスも、ごく自然かつ合理的なのだろうと改めて感じました。

世代ごとの感覚の違いは“良し悪し”ではありませんが、違いを理解しておくと気まずいコミュニケーションを避けやすくなるかもしれません。
(並木まき/元市議会議員・メンタル心理カウンセラー)
