12月24日、フィギュアスケートの全日本選手権で3連覇を果たした宇野昌磨選手。公式練習で右足首の捻挫というケガを負いながらの堂々の演技でつかみ取った栄冠だった。
世界選手権などを控えていることもあり、欠場もあるのではないかという話し合いももたれていたという。山田満知子コーチも、SPに出ていく宇野選手を心配そうに見送っていた。それでも、SP後のインタビューでは言い訳はしたくないとばかりに、ケガを公表することはなかった。FS出場については、宇野選手が絶対に出ると主張したうえに、羽生結弦選手ほどのひどいケガではなく、多少の無理くらいなら大きなダメージにはならないとドクターの診断を受けたことも後押しした。
だが、このケガをまるで予見していたような発言があったのだという。
「全日本選手権をさかのぼること2週間前。GPファイナル後のインタビューでのことです。宇野選手はいつまでも楽しんで滑るという立場ではいられないとコメントした後に、羽生選手のように、毎回すごいプレッシャーの中ですばらしい結果を出す選手になりたいとコメントしていたんです。羽生選手のプレッシャーといえば、思い出すのはケガをおして出場した平昌五輪での五輪2連覇の快挙。何の因果か、宇野選手はそのコメントのように、羽生選手と同じく試合直前にケガをしてしまったのです」(スポーツライター)
羽生選手の生き様を追うかのようなケガ、そして痛みをこらえての名演技での優勝。宇野選手のファンはケガにハラハラさせられたことだろうが、ぜひとも次は羽生選手に勝つという予言をして、試合に臨んでほしいところだろう。
(芝公子)