発表会やスポーツでの試合、試験などで実力を出し切れるかどうかは、成功と失敗の分かれ道となります。せっかくの努力が水の泡にならないよう、我が子には本番に強い子になって欲しいですよね。教育現場での子どもたちの様子から、本番に強い子の特徴を探ってみました。
子どもたちに自信のほどを聞いてみると、結果を出してくる子ほど「できそう!」「勝てそう!」という答えが返ってきます。一方、「うーん…自信がない」と答える子は、手が震えてしまって思うように力が出せず、「やっぱりダメだった…」と言いながら戻ってきます。とはいえ、面白いのは自信のある子がいつでも力のある子とは限らないということ。「(練習しなかったけど)なんだかできる気がする!」と呟く子が、驚きの結果を出してくることだってあるのです。
こうしてみると、本番の緊張する場面で実力を出し切れるかどうかは、いかにリラックスして(いつも通りに)できるかどうかにかかっています。それには、「いつも通りやれば大丈夫」という自信が大きな支えになります。
どんな子が自信をつけているのかが分かれば、努力した分だけ結果を出せる子になれる。そう思って子どもたちの観察を続けていると、面白いことに気付きました。それは、普段から「よっしゃー、これもできた!」「分かっちゃったかも!」「今日の練習でね、これができるようになったんだよ」などと、自分を認める発言をたくさんしていること。
つまり、それは日頃から自身を見つめ、成功体験の実感を積み重ねているのです。自分に言い聞かせる「私なら、できる!」ではなく、「あんなにたくさん成功したのだから今回だって大丈夫」と、自分なりの根拠を持って自信を感じているのです。
自信を積み上げるのは、日々の成功体験です。初めてのことは、誰でも不安で、緊張しやすいもの。だからこそ、できた実感や自分自身への期待(できる自分でいたいという意欲)が必要です。そのために周りの大人ができるサポートといえば、目の前の子の成功体験をしっかり言葉にして伝えることでしょう。
大人からできていると言われることは、大きな自信として子どもたちの心に残ります。本番に強い子にするのなら、日々成功している状態にすればいい。何ができているのかを観察し、言葉にし、自分に、相手に伝える習慣がついているご家庭は強いのです。
「自信をもってやってきなさい!」では自信は湧きません。自分から「これは得意だから任せてよ!」と言えちゃうくらい、たくさんの成功体験を積ませることが、本場に強い子にする大きな近道です。
(Nao Kiyota)