6月7日公開の映画「エリカ38」で、主役を務める女優・浅田美代子。この映画は、2017年に実際起きた女性詐欺師の事件を元にして作られた物語。浅田はここで、62歳でありながら38歳と偽り、その色香と話術で人から金を巻き上げる主人公・渡部聡子、自称「エリカ」を演じる。浅田にとっては、1970年代に公開された「明日輝く」以来、なんと45年ぶりの映画主演作となる。しかもこの映画、昨年、逝去したあの大物女優との絆から生まれた作品でもあるのだ。
「実はこの映画を企画したのは、昨年の9月に亡くなった大物女優・樹木希林さん。浅田と樹木さんは親交が深く、彼女が東京女学館高校在学中にデビューした時から何かと目をかけてきたのが樹木さんでした」(スポーツ紙記者)
4月20日に沖縄県北谷町で行われた映画のジャパンプレミアでは、浅田は映画が生まれたきっかけについて「希林さんが実際に事件のニュースを観て、『みよちゃん、こういう役やればいいよ』と勧めてくれ、ある日『全部決めて来たから、大変だけどがんばるのよ』と水面下で樹木さんが動いて実現した企画であることを明かしている。
浅田は1977年にフォークシンガーの吉田拓郎と結婚したが、1983年に協議離婚。結婚当初の樹木さんとのエピソードについて、以前番組「サワコの朝」(TBS系)に出演した際にこう話している。
「二人はドラマ『時間ですよ』(TBS系)で共演した仲。ある晩、樹木が夫の内田裕也と、吉田が飲んでいるところに乗り込んで来て、浅田曰く『殴り込みというか、乗り込んだんです。どういうつもりで付き合ってんだ、お前!って』『ロックとフォークで仲悪いでしょう。そういう時代。(吉田が)真面目に付き合っています、結婚するつもりですと言ったので、2人は納得して帰ったみたい』と当時の秘話を語っています」(番組関係者)
このエピソードからも、いかに樹木さんが浅田のことを思いやっていたのかがわかる。
“天然ボケ”キャラの浅田美代子と、大物“個性派女優”の樹木希林さんの意外な交友録。樹木さんの“遺言”とも言える思いのこもった映画「エリカ38」では、大胆な艶シーンも挑むと言う。果たしてどんな演技を見せているのか、公開が待たれる。
(窪田史朗)