7月期ドラマの中ではいち早く、9月8日に最終回を迎えた「あなたの番です」(日本テレビ系)。視聴率こそシリーズ最高の19.4%をマークしたものの、最終回の内容には様々な批判が寄せられることになった。
「女子大生の黒島沙和が連続殺人の真犯人だと明かされた最終回ですが、その黒島を演じた西野七瀬の演技には経験不足が否めず、全20回にもわたった大型ドラマの厚みに水を差したとして、一部からは批判的な声が上がっています。また、広げすぎた伏線をいっぺんに回収したため、殺人現場の再現が簡単に済まされたのも残念。しかもひとつひとつの殺人が雑で、華奢な女子大生が大柄な浮田さん(田中要次)の首にワイヤーを巻き付けた状態で背負って歩いたり、看護師でも難しい点滴の挿管をいとも簡単にこなしたりと、リアリティを壊す場面が次々と繰り広げられたのです」(テレビ誌ライター)
そして極めつけは肝心の真犯人について、女子大生の黒島がシリアルキラー(連続殺人犯)に至った経緯を「続きはHuluで」としてしまったこと。日本テレビ傘下の動画配信サービス「Hulu」ではお試し期間を除けば無料視聴はできず、多くの視聴者が謎解きの回を観られなかったのである。
その一方で、無料で利用できた公式LINEアカウントの「AI菜奈ちゃん」が9月15日の投稿をもってサービスを終了。最後に送られてきた画像に、視聴者がほっこりしたと評判だ。テレビ誌ライターが続ける。
「15日の昼に突然、AI菜奈ちゃんから一枚の画像が送られてきました。それは主人公の手塚翔太(田中圭)と、その妻で殺害された手塚菜奈(原田知世)がチャペルで結婚式をあげている記念写真だったのです。最終回では菜奈が予約していたチャペルを正装の翔太が訪れ、一人きりの結婚式を挙げる場面が。翔太はウェディングドレスを着た菜奈の幻を目撃し、視聴者の涙を誘っていました。それゆえ最後の最後に幸せな二人の画像を公開するという粋な演出には、視聴者から多くの賛辞が寄せられています」
7月からの「反撃篇」では出番の少なかった原田だが、SNSやHuluを巻き込んだ壮大な仕掛けのフィナーレを彼女が飾ってくれたことで、最終回の出来に不満をいだいていた視聴者もカタルシスを感じることができたようだ。
(白根麻子)