彼がちょっと怒りっぽいくらいならまだしも、度重なる暴力を受けているのに別れない女性がいます。そんなカップルの場合は、【共依存】しているのです。
共依存とは、一言でいえばお互いに依存し過ぎたり、支配し過ぎてしまう症状のこと。自分ひとりで健全な生活を送ることができず、他者を巻き込んで自分が生きているという存在価値を得るという感情を指します。
もちろん、人は誰かに頼りたいことがありますし、誰かに頼られて幸せを感じることがあります。でも、いき過ぎた共依存体質の相手と暮すというのは、あなたの精神状態も健全ではなくなってしまう可能性が高いのです。
「それでも、彼を支えることが私の幸せなの」と思っているあなた。どうかその考えを捨ててください。彼といるあなたは、決して幸せにはなれませんし、あなたには彼を支えることはできません。それは、あなたに支える力がないからではなく、彼がDVだからです。他の女性であっても、彼を支えることはできないのです。
まずは、彼と別れてください。彼にとって必要なのは、あなたが従うことではなく、彼に合った治療です。そして、彼自身でしか生み出すことができない、立ち直ろうとするパワーなのです。
彼からたった一度でも暴力を受けたことがあるなら、ちょっと真剣に、彼の行動を観察してみてください。キレやすい、アルコール依存症の家族がいる、スマホチェックを頻繁にするなど嫉妬深い、威張り体質、上司には意見を言えない、神経質、借金男……あなたの彼がそんな男性なら、少し距離を置くほうがいいかもしれません。
「彼を見捨てるなんて、そんなことをしたら、私は最低の人間になってしまいます」なんて思わないでくださいね。見捨てる勇気が必要なのです。あなたと彼のためにも……。
それでも彼が追いかけてきたら、各地域にあるDVシェルターに駆け込んでください。あなたも、そして彼も、幸せになるためにです。事件が起きてからでは、遅いんですよ。どんなに愛していても、別れるほうがよい場合はあるのです。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)