フィギュアスケート世界選手権2016で、難易度を上げた演技構成で果敢に挑むも、ジャンプの失敗で惜しくも表彰台を逃した宇野昌磨選手。キス&クライでもインタビューでも、ぼろぼろ涙を流し呆然とした姿が印象的だった。
「宇野選手の演技はスタート時から気迫に満ちていましたし、丁寧ないい滑りでした。ただ、コンビネーションのジャンプが単独の4回転になってしまった。あれが4回転でなくてもコンビネーションにさえなっていたら、ボーヤン・ジンをわずかに上回り3位に入っていたでしょう。それほどの良い出来でした。昨シーズン、『ノーミスすれば戦っていける、自分が良い演技をすれば世界と戦える』と実感し、今季はそのとおりに躍進してきたからこそ、自分の努力が報われずショックだったでしょう。しかし、頑張れば頑張っただけ結果がついてくるのは、まだ上り調子な若手の証拠。ある程度以上の実力がつくと、いくら頑張ってもいい結果が出せなかったり、毎回得点を更新できなかったりするのは当然です。これは宇野選手が、新しい次元に足を踏み入れたということなのです」(スポーツライター)
試合が終わった直後なのに「今は早くスケートを練習したい」と口にした宇野選手。自覚の高さもやる気も練習熱心さも、まさにトップ選手ならでは。今季、大人の階段を上った宇野選手だからこそ、来季のさらなる成長が楽しみだ。
(芝公子)