4月10日の「情熱大陸」900回スペシャルで、フィギュアスケート・羽生結弦選手の、世界選手権までの3カ月間の密着取材を放送した。
優勝を期待されていた世界選手権で無念の銀メダルに終わった羽生選手だったが、番組ではあらためて、その原因ともなったと思われる羽生選手のケガについても触れられていた。
「GPシリーズが始まる前から左足を痛めていて、シーズンが進むにつれて違和感を覚えるようになってしまったそうです。それでもその事実は“トップシークレット”。密着取材中に、スタッフが『世界選手権が終わったら、ケガについては公表するのか』とたずねると『言わないかもな、わかんない』と答えていました」(週刊誌記者)
浅田真央選手しかり、フィギュアスケートのトップ選手はケガや体調不良を公言することを潔しとはせず、試合後にその事実が漏れ伝わることが多い。
「羽生選手の足の状況はかなりよくなかったと思います。番組では世界選手権を前にカナダの拠点で練習するシーンも映していましたが、練習ではジャンプが全然決まらず何度も転んでいました。でも、オーサーコーチの対応がクールで驚きました。羽生選手をケアする言葉でもかけるかと思いきや、『本番ならここまで疲れてはいられないよ』『疲れている時こそ、もっと膝をちゃんと使いなさい』と厳しい指導のお言葉だけ。もちろん、羽生選手ほどのトップ選手になったら、あとは自分との闘いなのでしょうが」(前出・週刊誌記者)
羽生選手自身も、番組内で高みを目指す者の孤独について語っている。世界選手権のSP後に見せた雄叫びは、そんな思いがほとばしったのかもしれない。
(芝公子)