10月11日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)が、最近主にSNS上で問題視されつつある“ロジハラ(ロジカルハラスメント)”について取り上げ、話題になっている。
ロジハラとは、「正論を振りかざして相手を追い詰めるハラスメント」を指し、例えば「軽く愚痴を言っただけなのに、『でもそれ、君にも非があるよ』と指摘されてしまう」ことや、上司から「何でミスしたの?何でできなかったのか説明して」と、問い詰められることがロジハラに当たると、番組では解説。
出演者のダウンタウン・松本人志は怪訝な表情で「ほんと意味わかんない、これ」とポツリ。番組MCの東野幸治から「まだ説明が続きます」と制された松本は「今のロジハラや!正論や!」と猛抗議だ。
東野は「論理的に正しい指摘であっても、相手を思いやる心がない人」や「真っ向から正論をぶつけて困らせたり優位に立とうとする人」がロジハラに当たると説明。
久代萌美アナは「私はどちらかといえばロジハラやってる側」と明かし、「理系なので論理的に相手を詰めていくので…」と説明した。
ゲスト出演したお笑い芸人・バカリズムは芸風から自らを「ロジハラ芸人」ですからとし、続けて「ハラスメントをこれに使うのは違う気がする。セクハラやパワハラと同じ棚に並べるのは違うかな」と違和感を口にした。
バカリズムはその上で「ロジハラっていう意見自体がロジハラだと言えると思う」と指摘。「あなたの言ってる事は正論ですけど相手を追い詰めてますよっていう論理で僕は追い詰められてますから」とし、結局ロジハラ自体が自分に返ってくると、矛盾点を突いた。
するとフリーアナウンサーの神田愛花は「今のがロジハラですよね」とそれに被せる。この後、出演者の発言を別の出演者がロジハラ呼ばわりするというループが続き、スタジオは答えの出ないまま混乱に陥ってしまった。
東野は「だから相手を優しく導いてあげて、ちょっと立てなさいよということ」とまとめたが、ロジハラの応酬となった展開に、松本は「めちゃくちゃやな。(ロジハラ)早く流行って早く終われ!」と悲鳴を上げた。
その後も「どう答えたら一番嬉しいの?」という東野の疑問に、神田アナは「共感じゃないですか」と回答。バカリズムは「結局、答えてほしい回答って決まっちゃってる。それとは違う意見が来たら全部ロジハラになっちゃうんですよ」と指摘するなど収拾がつかなかい。
「松本さんもバカリズムさんも終始納得のいかない表情。相手を優しく導いていたら、それこそお笑いのツッコみなんて成立しなくなってしまいますからね。結局、相談者が何を求めているのかで、返答の仕方を変えないといけないということになりそうです。具体的なアドバイスが必要な人には論理的な意見が必要ですし、ただ優しく共感してもらいたい人にはロジックなんて無用ということなのでは」(テレビ誌ライター)
このロジハラ、松本が言うように一過性のブームに終わるかもしれない。
(石見剣)