9月21日、俳優のオダギリジョーが10月6日公開の主演映画「エルネスト」の舞台挨拶に登場した。キューバの革命家、チェ・ゲバラからファーストネーム「エルネスト」を授けられたゲリラ部隊の日系人、フレディ前村ウルタードの半生を描いたこの作品。オダギリは「今の日本映画界でこういう作品を作ること自体が革命だと思っています」とコメント。さらに「(昨今の日本映画は)漫画や原作ものに流されやすい。映画ファンとして心配してしまう」と本音を吐露した。
「オダギリの言うとおり、今の日本映画はアニメ映画、漫画の実写版が多く、人間を描いた重厚な作品は非常に少なくなっています。そんな現状を憂いている俳優はオダギリだけではありません。学生運動から革命を目指した学生活動家と新聞記者の交流を描いた11年公開の映画『マイ・バック・ページ』で主演を務めた妻夫木聡もこの映画のティーチ・イン(討論会)で『映画の興行を回しているのはテレビ映画ばかり。ほかの国に発信できるような映画を作るチャンスが小さくなっている』と、当時多くのスクリーンを占めていたドラマの映画化に苦言を呈していました」(芸能ライター)
出演する俳優自身が心配する日本映画界。ぜひとも心ある俳優、監督、スタッフが集って、風穴を開けるような傑作を撮ってほしいものだ。