円熟期に入った羽生結弦に期待したい“さらなる進化”の可能性

 フィギュアスケートの羽生結弦選手にとって、4カ月ぶりの実戦復帰となった世界選手権だったが、平昌五輪のような奇跡は起こらず、惜しくも2位となった。

 SPでの失敗を巻き返すべくFSでは4回転サルコウの回転不足こそあったものの会心の演技。結果を待つキス&クライでは、ブライアン・オーサーコーチらスタッフも満面の笑みを見せ、得点も206.10点を出し、合計で今季世界最高得点の300.97点。しかし、その後のネイサン・チェン選手が完璧に滑りきりFSで216.02点。総合323.42点という今季世界最高得点を叩き出して優勝を手にしたのだ。

 オーサーコーチはその後のインタビューで、チェン選手の進化について過小評価してしまったとコメントしたが、チェン選手は羽生選手が高得点を取ったことによる大きなプレッシャーの中での最終滑走。そこでチェン選手は高難度のジャンプを組み合わせた高得点のジャンプを次々と成功させ、みごとに今シーズンの自己最高得点をつかんで見せたのだ。

 この逆転劇、ソチ五輪があった2013‐2014シーズンのGPファイナルを彷彿とさせるという意見もある。

「ちょうど羽生選手が台頭してきたソチ五輪のシーズン。GPシリーズでは、羽生選手が2戦続けてパトリック・チャン選手に負け、2位に甘んじていました。GPファイナルでも先に滑ったチャン選手は会心の滑りをし、得点も自己最高には及ばなかったものの、羽生選手がGPシリーズで出していた得点を優に超える277.42点を取ったこともあって、自身の勝利を確信しているかのようでした。それが、その後に滑った羽生選手が完璧な滑りで、GPシリーズの自身の最高を30点も上回る得点で優勝を奪ってしまったんです。それまで世界選手権を3連覇し、絶対王者を自負していたチャン選手にとって、その衝撃は大きかったことでしょう。以後、世代交代の波がじわじわと押し寄せ、だんだんとチャン選手の時代は終わっていった、そんな出来事だったんです」(スポーツライター)

 完璧なスケートを目指し、ファンを魅了し続けてきた羽生選手ももう24歳。1990年生まれのチャン選手にとっても2013‐2014シーズンは、ちょうど似たような年頃だった。もちろん、世界歴代最高得点を更新してきた羽生選手の完成度、技術は他の選手に類を見ないレベルの高さ。また、世界選手権がケガからの復帰戦だったこともあり、単純に比較はできない。

「とはいえ、新しいジャンプを習得するにはやはり若いほうがいいですし、20歳を超えると練習後に疲れが残りやすくなり、故障も増える言われるフィギュアです。24歳が大事な年齢であることに変わりはありません。羽生選手ですから、さらなる進化や可能性を秘めているとは思いますが、これまでのような攻める一方の進化ではなく、熟成した演技に向けた進化に力を注いでもいいのではないでしょうか。ケガもしたことですし、心配になるんです」(前出・スポーツライター)

 ぜひとも、演技の深みや芸術性の高さで、若い選手には到底届かない領域を極めてほしい。

(芝公子)

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