性加害問題で揺れ動く旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)を横目に、順調に活動基盤を作り始めているのが、芸能事務所「TOBE」。旧ジャニーズで副社長だった滝沢秀明氏が立ち上げ、元V6の三宅健はじめ、元Kis-My-Ft2の北山宏光、King & Princeの元メンバーらが所属している。中でも元キンプリの平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太は、「TOBE」で新グループ「Number_i」を結成。来年以降は楽曲販売やコンサート活動などを本格始動する予定といい、ジャニーズJr.時代は「IMPACTors」だったメンバーが移籍後に改名した「IMP.」は、次々と新曲を発表し、国内だけでなく世界進出も狙っていると言われている。
それにしても、旧ジャニーズ退所組が集結した感のある、TOBEの勢いは凄まじく、さる11月25日には公式You Tubeチャンネルで、所属タレントが送る「とべばん」なる“番組”を配信。視聴回数は280万回を突破して大きな話題を集めたものだ。
「『とべばん』はコーセー、あきんどスシローなど一流企業が制作協力に入り、しっかりとしたバラエティ番組に仕上げている。次回配信は12月24日と予告されましたが、初回が好評で今後も定期的に制作するようです。Number_iは有料のファンクラブ会員が約50万人ともされ、来年はドームクラスの会場でコンサートを実施するという情報も。楽曲も国内外の有能なクリエイターをそろえ、移籍前から3人の夢だった世界進出を視野に入れている模様です。IMP.も来年はツアーを計画しているとか」(スポーツ紙記者)
順調そのものに見えるTOBE。だが、背後には不気味な“黒船が”―。世界的人気グループ・BTSを擁し、アジアナンバーワンと言われる芸能プロダクションの「HYBE」だ。韓国企業のHYBEは、「TOMORROW X TOGETHER」、「SEVENTEEN」など男性アイドルから「LE SSERAFIM」、「NewJeans」など、女性アイドルも関連レーベルに所属。潤沢な資金を使い、アメリカに進出し、「HYBE AMERICA」を設立し、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデが所属する「イサカ・ホールディングス」を吸収合併して業界を驚かせた。そのHYBEが、日本進出を本格化させるという情報が、芸能界で駆け巡っているのだ。
「設立済みの『HYBE JAPAN』が昨年末に立ち上げたレーベル・NAECOに元欅坂46の平手友梨奈が引き抜かれ話題になりましたよね。また、HYBE JAPAN は12月1日付で、傘下レーベルにSEVENTEENや過去には別会社であのBoAの日本進出を成功させたキム・ヨンス氏がGMに就任したと発表。SEVENTEENが今年のNHK紅白歌合戦に出場できたのもキム氏の働きかけとか。SMILE-UP.やTOBEの体制が盤石にならないうちに、一気に日本で男性アイドル市場を開拓するつもりのようです」(民放関係者)
HYBE JAPAN所属といえば、オーディションなどで結成された男性多国籍グループの&TEAM(エンティーム)が存在感を見せてはいるが、今後は、平手のケースのように、手っ取り早く、人気があるアーティストの引き抜きも積極的に行っていくだろうと言われている。
「現在は、SMILE―UP.に所属するアイドルに興味を示しているという話です。実際、キンプリを脱退した平野なども世界進出について消極的な事務所に嫌気が差して退社した経緯もある。Snow ManやSixTONESには世界進出を目指すメンバーもいますし、アメリカにも支社がありBTSの実績もあるHYBEは魅力的でしょう。来年は、SMILE―UP.からの独立だけでなく、HYBEへの電撃移籍も増えるんじゃないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)
旧ジャニーズの性加害問題で、変革の時が訪れている日本のイケメンアイドル市場。資金力もあるHYBEが、一気に“旧ジャニーズタレント狩り”に動く可能性もありそうだ。
(渡邊伸明)