俳優の山田孝之が3月2日に自身のインスタグラムアカウントを更新。フジテレビへの批判とも解釈できる投稿内容に注目が集まっている。
この日、山田は300万人以上のフォロワーを有するインスタグラムのストーリーズを更新し、黄色い背景に白抜き文字で長文のメッセージを投稿。「フジテレビさんは韓国ドラマに恨みでもあるのですか? 僕が唯一見た韓国ドラマ『イカゲーム』がいかにエンターテイメントとして優れているかをお話ししたら、見知らぬ誰かを傷つけていると聞きました。それはご自身にとって大切で大好きな韓国ドラマがあるかたです。何故韓国ドラマ全体を見下したことになっているのですか? 単に編集がめちゃくちゃ下手なのですか?」と問いかけたのだ。
また、「今回は早めに動こう。山田、怒ってない全く。疑問に思ったことを言っただけ。あいのー?」と綴ると、「みんな気づくかなー 気づくかなー 仕組み」とも意味深に語った。
この山田の投稿にはネット上で「核心に触れずに批判するのはよくない」「私、理解力があるほうではないので、こういう察して全体像を捉えなきゃいけないような出来事は読んでて苦痛。世の中に発信するなら何があったのかをはっきり表現してくれたらいいのに」「怒ってるのはギリギリ伝わるけど、何が言いたいのかがまったくわからない」「コトの背景が意味不明すぎる」「もっとわかりやすく書いてほしい」など、様々な反響があった。
山田孝之、フジテレビ、韓国ドラマといえば、2月19日放送の同局系特番「まつもtoなかい~マッチングな夜~」での山田の言及が最も記憶に新しいところ。俳優・菅田将暉とのスペシャル対談が実現した山田は、MCのお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志からの「なぜ今、韓国ドラマとか映画に、日本は押されちゃってるんですかね? 俺はそれがすごくイヤだなって思うんです」との問いかけに対し、日本を代表する役者としての持論を展開していた。
「日本のスタッフもキャストも、仕事が著しく韓国に比べてレベルが低いとは思わないですね」と語る山田は、続けて、「僕がNetflixで『全裸監督』を世界配信したのは、それが大きな理由で。日本の今のスタッフとキャストで、日本が題材のものを世界に出したらどういうリアクションなんだろうって確認したかったんですよ。あまりにも酷かったら、見てもらえないじゃないですか。でも、結構見てもらえたので。ってことは、(日本が韓国にドラマで押されている原因は)芝居とか撮影とか編集とかそういうことではないのかなと思いましたね」と主張。
また、番組進行役のタレント・中居正広は、最近では韓国のラブストーリーばかりが注目されていると指摘し、「なんで日本のラブストーリーを観ないんでしょうかね」とも話題提起。これに菅田は「韓国ドラマはちゃんと“ラブストーリー”をやっているのはすごい」とし、30代半ばの俳優が、照れや恥ずかしさを乗り越えて、「そこにちゃんと向き合っているからこそ、ファンを魅了するんだと思います」と語った。
すると、韓国ドラマに関する菅田の分析を聞いた山田は、「なんかこう、敢えてそういう隙を作ってるんじゃないかなって、僕は思いましたけどね。完璧すぎるじゃなくて、ちょっとツッコミ所があったほうが、今ってお客さんはSNSもあってバズりやすいんで。“絶対こうなるじゃん”っていう(視聴者の展開予測)のを、“ほら、やっぱりこうなった!”ってなると、ちょっとお客さんが優位に立てるじゃないですか」と語り、巧みな製作者側の意図があると推察。
この山田の意見に、中居が「それ狙ってやってんのかな?」「なんか上から目線で、あーじゃない、こーじゃないって言えるような作品」などと相槌を打つと、松本も「イヤー、ややこしいなぁ。そんな戦略があるの?」と驚き、韓国ドラマの人気の秘訣について、思いを巡らせていた。
「つまり、山田は日本がそこまで韓国にドラマで押されているとは感じていないとの主張に加え、韓国ドラマの製作背景には様々な創意工夫があると語っており、両国どちらにとっても、ネガティブな意見は述べていません。ですが、インスタグラムの中で、山田は自身のフジテレビ番組内での発言が、『何故韓国ドラマ全体を見下したことになっているのですか?』と疑問視。収録中にそうした発言をした覚えがなく、放送上で異なる趣旨のコメントに変えられているのだとすれば、フジテレビの編集が『めちゃくちゃ下手』で、同局に“韓国ドラマへの恨み”がある可能性を指摘しているわけです。
しかし、番組内で実際に放送された、山田の韓国ドラマに関する見解は、それらを見下したようなものではなく、むしろ、巧妙に作り込まれたレベルの高いものであると評価するものでした。よって、考えられる可能性としては、山田がストーリーズで紹介した、“韓国ドラマが大好きな見知らぬ誰か”が、誤った解釈で彼のコメントに傷付いてしまい、それが山田に伝わったところ、おそらくは実際の放送を確認していない山田が“フジテレビにおかしな編集をされたのではないか”と疑念を抱いたのかもしれません。2月19日の放送を視聴していれば、山田の発言が韓国ドラマを見下していないことは誰でも理解できますからね」(テレビ誌ライター)
ネットを大いにザワつかせた山田によるフジテレビへのクレームにも近い投稿だったが、いくつかの誤解が絡み合ったことによって生じた可能性が高いのではないだろうか。
(木村慎吾)