深夜バラエティのノリがプライムタイムでも炸裂していたようだ。
6月10日に放送されたチャレンジトークバラエティ「オドオド×ハラハラ」(フジテレビ)が話題になっている。放送後には「#オドオドハラハラ」がツイッターのトレンドに入り、プロデューサーの佐久間宣行氏も「急にやった謎の特番でトレンド1位は嬉しいなw」と大喜びだ。
「同番組は元テレビ東京の佐久間氏が、フジテレビで初めて手掛けるバラエティ番組として放送前から注目を集めていました。MCには佐久間氏が担当する『あちこちオードリー』(テレビ東京系)でMCを務めるオードリーと、情報番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)MCのハライチを起用。ゲストには葉加瀬太郎や松たか子、SixTONESのジェシーなど人気者を起用しつつも、内容は放送まで判然とせず、果たして土曜日のプライムタイム(放送は21時からの2時間)に堪えうる内容になるのかと視聴者も興味津々だったのです」(テレビ誌ライター)
最初のコーナー「大御所だって叱られたい!クイズ!大御所コラコラ」では、人気バイオリニストの葉加瀬が“叱られゲスト”として登場。55歳の大物アーティストがどんな叱られ方を求めているのかを、オードリーとハライチが当てていくという、もろにバラエティ番組のスタイルとなっていた。
番組では葉加瀬のコンサートに密着。初っ端で会場の外観を写した画像が示されると、オードリー春日はさっそく「天気が悪い!」と指摘し、葉加瀬は苦笑いだ。その後も休日は真鯛釣りを楽しんでいるという葉加瀬の釣りバカぶりをMC陣がイジりまくるなど、そのノリはもはや深夜バラエティさながらとなっていたのである。
「人気曲『情熱大陸』のサビではバイオリンを弾かずに観客と一緒にダンスするという葉加瀬。その場面が盛大にイジられるも、決して不愉快な顔をせずにオードリーやハライチらと一緒に爆笑していたのが印象的でした。これらのトークに関してプロデューサーの佐久間氏は『トークゾーンは全く台本作りませんでした』とツイート。次から次へと繰り出されるツッコミがすべてアドリブだったとは、お笑い芸人の底力を見せつけられた印象です」(前出・テレビ誌ライター)
しかし、いくらオードリーとハライチが実力者とは言えど、スタジオでゲストと一緒にVTRを見守るというシンプルな構成で、2時間のトークバラエティが成立したのは驚きだ。その裏には2組をよく知る佐久間氏ならではの仕掛けがあったという。
それは佐久間氏いわく「進行は澤部がやってます」という構成のこと。「その結果、役割から解き放たれたオードリーと岩井が自由にふざけてます」というのだ。
たしかに「ぽかぽか」では澤部と岩井が共同MCを務めており、岩井ならではの毒は封印された形となっている。また「おどおどオードリー」はトークバラエティとして一級品だが、全体の進行役を務める若林と、その進行を横で見守る春日の役割分担はわりと明確だ。
「それが今回、若林・春日・岩井の3人が自由にツッコミを入れるポジションだったことで、ゲストをイジる枠組みがより柔軟に機能していました。視聴者には春日のツッコミがいつもより冴えていると驚いた人も多く、佐久間氏も『春日が調子いいぞって言うツイート多いなw』と反応していたのが象徴的です」(前出・テレビ誌ライター)
葉加瀬に加えて松やジェシーらも、オードリー×ハライチのツッコミを華麗に受け流し、一緒に笑っていたところに懐の深さが示されていた。まさに出演者全員の良さを引き立たせることに成功した座組だったと言えよう。
この好評ぶりを受けて、2回目や3回目の実現にも期待が高まる「オドオド×ハラハラ」。次回はどんなゲストをイジってくれるのか。視聴者も楽しみで仕方のないところだろう。