歌手・和田アキ子が新人時代に受けた苛烈なイジメ被害を、ゲスト出演した「人志松本の酒のツマミになる話」(フジテレビ系)で明かした翌日、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組「アッコのいいかげんに1000回」(ニッポン放送)の11月18日放送回で、さらに振り返った。
和田は、前日放送の「人志松本」で、デビュー直後に先輩歌手から受けた、衣装を隠されたり、楽屋で“男がいるから着替えられない”と苦言を投げつけられるなどの嫌がらせ行為を受けていたことを告白したが、この日の「アッコの―」でも、「今じゃ考えられない。番組(「人志松本」)では言わなかったけど、大事に履いてたバスケットシューズにマジックで“バカ”って書かれたりとかさ。帰り、電車に乗る時、恥ずかしくて恥ずかしくて」と、別のイジメ被害を語った。
「そんな時代だったのよ」と懐かしむ和田は加えて、「未だに信じられない」という出来事も回想。「デビューした時、一応“和製リズム&ブルースの女王”って言われてたから、黒色ばっかり着てたんです。黒しかないの、反対に。そしたら、ある人から『あんた黒着てるけど、私黒着るから、黒着ないでね』って。『これしか無いんです』って言ったら、『考えなさいよ』って」と、衣装の色をめぐって強引な要求をされたこともあったと振り返ったのだった。
「“ゴッド姉ちゃん”と恐れられる現在の和田からは想像しにくい、紛れもないイジメ被害でしょう。しかし、世間からはこれに微妙な反応が出ています。というのも、“アッコファミリーの一員”の出川哲朗や松村邦洋らは、これまでに受けてきた和田からの酷な扱いを最近でも番組でネタにしており、むしろ和田のほうに、ガキ大将的で、陰湿ではないものの、イジメっ子ともとれる印象も浸透しています。特にここ数年で批判を浴びたのは、アンガールズ・田中卓志への仕打ちでした。2020年9月『アッコの―』で、和田が明かしたのは、田中とネプチューン・名倉潤を含め一緒に食事をすることになった時のエピソード。和田によれば、『私の前に座ったから、“食欲無くなるからやめて”って言った』そうで、田中の座る場所をズラして正面からどかしたものの、結局『キミだけ個室から出て別のテーブルで食べて!』と告げたといい、理由も“田中の見た目が気持ち悪かったから”だったとか。自分がシューズに“バカ”と書かれるのは相当ツラい経験でしょうけど、大先輩から『気持ち悪い』と言われ、1人だけ個室から追い出された田中の気持ちもまた、同様じゃないでしょうか」(テレビ誌ライター)
この日の番組には、一部リスナーから、ネット上に「この人のご都合主義には呆れ返る。人をいじめてきた年月の方が長いのにね」「あなたのやった“イジメ”はその何百倍もあると思う」など辛辣な反応が寄せられていた。
過去にイジメられて辛酸を舐めたから、後輩をイジメる権利があるなどとはよもや思っていないだろうが、この際、現在騒がれている宝塚歌劇団の問題で指摘されているようなイジメの撲滅につながるようなメッセージをどんどん発信していただきたいものだ。
(木村慎吾)