旧ジャニーズ事務所から社名変更した「SMILE-UP.」が、性加害の被害者に対して過去の在籍が確認できた23人に補償の支払いを行ったことが明らかとなったのは、12月1日。一方で、同社の所属タレントは新たに立ち上がる会社とエージェント契約を結ぶ方向で調整中で、初動は悪かったものの、タレントの芸能活動は早々に復活しそうな勢いを見せている。
「来年1月期のドラマでも嵐の櫻井翔をはじめ、King&Princeの永瀬廉、なにわ男子の道枝駿佑など、旧ジャニタレントが多く主要キャストで登場します。また、年末恒例の大型歌番組が民放各局で放送されていますが、登場するアーティストには、旧ジャニのグループも多く、歌手活動以外では、、櫻井や相葉雅紀は司会も担当。『第74回NHK紅白歌合戦』では、44年ぶりに旧ジャニーズタレントの出場がゼロになりましたが、民放テレビ局では変わらずに活躍している印象ですね」(スポーツ紙記者)
そんな旧ジャニーズ事務所の性加害問題について、Xでは今、不思議な現象が起きているという。ファン同士の対立が表面化し、プチ炎上騒動を繰り広げているというのだ。
「最近、Xでは『#旧ジャニーズ事務所のファンクラブをやめました』というハッシュタグをよく見かけます。このハッシュタグは、旧ジャニアイドルのファンが、“有料のファンクラブ会員を辞めた”という宣言とともに投稿しているもの。書き込みの多くに、『SMILE-UP.』への不満が綴られ、そんな不満のある会社の利益につながるような会員を自分は辞めたことを宣言しているものです。で、こうした投稿に別のファンが『わざわざ宣言しないで勝手に辞めろ』と攻撃的な返信をするなど、プチ炎上を起こしているんです。ファン同士で内輪もめをしている様相で、殺伐とした状況になっています」(週刊誌記者)
この「#旧ジャニーズ事務所のファンクラブをやめました」騒動の背景について、前出とは別の、ジャニーズ関連の取材経験が豊富なスポーツ紙記者が解説する。
「誰の仕業かなどの証拠があるわけではないですが、ただ、言えるのは、問題のハッシュタグを付けている投稿ですが、極端にフォロワー数が少ない“捨てアカウント”が多々見かけられます。また、元SMAPのファンだった人も多い印象です。SMAPメンバーと言えば、辞めジャニの中でも『新しい地図』の稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人が旧ジャニーズに干されていたこともあり、ファンは、辛い思いをしていましたからね。SMILE-UP.をよく思わない人たちが、情報操作をするために、ファンクラブを退会したと嘘をついてこのハッシュタグを拡散していると現役のファンたちは警戒している」
ファンも巻き込んで、場外乱闘になっている今回の騒動。とはいえ、SMILE-UP.もこのFC退会ハッシュタグについては、かなりの危機感があるようだ。
「『ファミリークラブ』と呼ばれる現在のファンクラブは、コンサートのチケットを買うために入会する人が多く、グループごとに会員になれるので1人で複数申し込んでいる場合がある。会員は、推定でのべ1000万~1200万人いるとも。入会費1000円、年会費4000円とすれば、年間で400億円以上の売上がある。今後、SMILE-UP.を継続するために必要な資金源で、ここを突かれるのは痛いところです。例のハッシュタグ騒動に便乗して、ファンクラブを辞めようとXで抗議行動を起こすアカウントもあり、SMILE-UP.も早めに対処したい問題でしょう」(前出・週刊誌記者)
一難去ってまた一難…テレビ業界では性加害問題が解決に向け、徐々にではあるが、前進しているが、自由な投稿ができるSNSの世界では、まだまだ旧ジャニーズ事務所への糾弾が続いている状況のようである。
(渡邊伸明)