【ブギウギ】アメリカ巡業は描れず…母と娘のセンチな物語に視聴者がっかり!

 一番観たい場面がスルーされた! そう驚く視聴者も多かったようだ。

 3月5日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第108回で視聴者は、とんでもない手抜き描写を見せつけられることとなった。ヒロインのスズ子(趣里)が4カ月間も続けたアメリカ巡業が、ものの数分でさくっと終わらせられたのである。

 スズ子のモデルである笠置シヅ子は昭和25年にアメリカ巡業を行い、ハワイを皮切りにロサンゼルスからニューヨークまで米本土を横断。各所で大変な人気を博し、人気アーティストたちと交流するなど、大きな成果を残していた。

 高野山ホールで開催されたロサンゼルス公演では、同ホールで働いていた若き日の故・ジャニー喜多川氏が公演を手伝うことに。これがきっかけとなって笠置とジャニー氏が親しくなったのも、芸能史的には見逃せないトピックの一つだろう。

「ところが作中では、スズ子がアメリカにいるシーンはニューヨークのホテルで娘の愛子から届いた手紙に涙した場面のわずか2分弱だけ。画面に『New York』の地名が表示され、ホテルのベランダにわざとらしく星条旗が掲げられているというお手軽な渡米シーンでした。視聴者が最も観たがっていた公演中の様子は、数枚の白黒写真で伝えられるのみ。この手抜きぶりには怒りを通り越して呆れるばかりですね」(テレビ誌ライター)

 朝ドラではさすがにアメリカロケを行うわけにもいかないだろうが、せめてアメリカ人で客席が満杯となった公演だけでも視聴者は待ち望んでいたことだろう。

 それがなぜか今回は、スズ子の渡米を祝した日帝劇場でのショーのみが描かれ、アメリカで歌い踊るスズ子の映像は皆無だったのである。

「2021年後期の『カムカムエヴリバディ』では、占領下の日本でアメリカ人がクリスマスライブを楽しむ場面が描かれました。進駐軍将校のロバート(村雨辰剛)がヒロインの安子(上白石萌音)を会場に連れていくと、ステージに酔っぱらった定一(世良公則)が現れ、『オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート』を熱唱。その後の伏線にもなる実に印象的な場面だったのです」(前出・テレビ誌ライター)

 会場の規模こそさほど大きくなかったものの、このシーンを覚えている視聴者からは、なぜ「ブギウギ」では同じことができないのかと不満の声があがるのも当然だろう。

 そもそも日帝劇場でのショーを描くなら、同じ会場に外国人エキストラを入れるだけで、アメリカ巡業の一シーンを描けたはず。よもや本作の制作陣は、多くのエキストラを動員するコストをケチったのだろうか。ともあれ視聴者の期待を大きく裏切ったことだけは確かだったようだ。

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