戦後の大スターにして“ブギの女王”と呼ばれた笠置シヅ子をモデルに、ヒロイン・福来スズ子が、歌や踊りと持ち前の明るさで、傷ついた日本を明るく照らすヒューマンストーリーも終盤。趣里が主演を務めるNHK朝ドラ「ブギウギ」に出演している田中麗奈の振り切った演技が話題だ。田中は、戦後の東京で米兵などを相手に春を売る女性「パンパン」の、有楽町界隈を仕切る女ボス・“ラクチョウのおミネ”に扮している。
3月4日放送回では、幼い娘を残して4カ月のアメリカ公演直前に開いたスズ子のコンサートにパンパン仲間を大勢連れて、ステージ最前列で声援を送っていたが、もともとはスズ子が取材を受けた雑誌で、パンパンに理解を示したようなコメントが載っていたことに腹を立てて楽屋に乗り込んでくるという衝撃的な登場の仕方だった。
「2月14日に放送された第94話では、スズ子が激しい気性のおミネの誤解を解くためにアジトを訪れ、腹を割って話す場面が登場。『じゃあ、あんた、好きでもない男に抱かれたことあんのかい』『そんな汚い世間に持ち上げられてお気楽に歌ってるあんたとは立場が違うっつってんだよ!』と声を張り上げるおミネに対して『お気楽なんかやない!』『ワテかて死に物狂いや!』と声を荒らげて応酬するスズ子。2人が対峙する圧巻の場面には大きな反響が寄せられました」(女性誌記者)
この役を演じるにあたり、田中はこの時代や、そこに生きる女性のことを当時の映画を見て、本を読んで勉強を積んだという。さらに、衣装合わせにも時間をかけて、おミネのキャラクターを作っていったのだと、制作統括の福岡利武氏が明かしている。田中自身も「ガード下の夜の街で生きるおミネは、キラキラとステージの光を浴びるスズ子とは対局の環境に暮らしている女性です」「そんな彼女とスズ子が出会ったらどうなるか。これまでとはまた違った、スズ子の表情を引き出せる存在になれたら、と思って現場へ向かっています」と今作に賭ける思いを口にしている。
清涼飲料水「なっちゃん」のCMで一躍人気者となってからおよそ四半世紀。ここに来て女優として、さらなる飛躍を見せている。
「田中は昨年10月期のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)に出演。さらに日本アカデミー賞優秀作品賞に選ばれた映画『福田村事件』にも出演。昨年10月には自身のインスタグラムで『釜山国際映画祭』のオープニングセレモニーにドレス姿で参加する写真をアップ。その美しさに称賛の声が寄せられてました。プライベートでは、2016年に年上の医師と結婚して、19年に第一子を出産。子育てもひと段落して本格的に活動再開したと言えるでしょう」(芸能ライター)
女優・田中麗奈の第2章が始まった。
(窪田史朗)