今年3月20日に、テレビ東京は開局60周年特別企画「テレ東系 旅の日」として、“ガチ旅だけの7時間テレビ”を放送。前代未聞の“旅番組だけで7時間を構成”する特別編成となり、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」、「大久保・川村の温泉タオル集め旅」、「ザキヤマの街道歩き旅」の4番組が参加。各番組が協力して、たすきをつなぎリレー方式でゴールを目指す特別番組となった。これで、「テレ東と言えば旅番組」のイメージがますます強まった感があるが、なぜそこまで手を変え品を変え旅番組を量産しているのだろうか?
「まず、旅番組は比較的構成も簡単で、予算を少なく制作できます。それで、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』『充電させてもらえませんか?』がヒットしたわけですから、いきおい、他の民放キー局より番組制作の予算が少ないテレ東の旅番組作りが盛んになったんです」(民放関係者)
ただし、旅番組はスタジオで撮影するバラエティとは違い、一般人も登場することでトラブルにも見舞われやすくなる。最近では、「充電させてもらえませんか?」のスタッフが、一般人を怒鳴ったとXに投稿され、テレ東は該当事実が無いと一部メディアに弁明する騒動に発展した。
また、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」で一躍有名になった俳優の太川陽介は、テレ東の旅番組でたびたび暴言や問題行動を起こして、SNSで炎上を繰り返している。
「過酷な『乗り継ぎの旅』では、予定通りに進めず、太川がイライラし出すのが定番化。昨年放送された『バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅第15弾』では、太川のワガママな振る舞いが、視聴者からX上で『老害』呼ばわりされています。今回の『テレ東系旅の日』にも太川は出演しましたが、一緒に旅をした玉城ティナが厚底のロングブーツを履いて参加したことを良く思っていなかったようで、素っ気なくするような場面も見受けられました。なぜ、テレ東は今も太川を起用するのか、疑問が残るところです」(スポーツ紙記者)
ところが、これには理由があったようだ。今や、旅番組は局内では聖域となり、多少の問題があってもお咎め無しなのだとか。その裏側を、他局の編成担当が明かしてくれた。
「テレ東の旅番組は、ローカル局への番組販売(番販)で人気が高いんです。ローカル局では、深夜帯や土日の昼間に放送する目的で、他局のコンテンツを番販で購入しているんですが、そんな中で、テレ東の旅番組は大人気。各局で取り合いが起き、値段も跳ね上がり、テレ東の重要な収益源になっているんですよ。『充電させてもらえませんか?』と『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』は特に人気で、かなり以前の番組でも売れるほど。地方局の視聴者はシニア層がメインですが、その人たちの間で、“傍若無人”にさえ見える太川の人気が異様に高く、テレ東はむしろ重宝しているんです。結果、ロケでわがまま三昧でも、太川がテレ東の旅番組から干されることはまず考えられないんです。ロケ先でのトラブルについても、番販のことを考えれば目をつむれるレベルと捉えているんじゃないでしょうか」
勝手なふるまいに見える太川の言動は、テレ東の“お墨付き”だったわけだ。
(渡邊伸明)