老後の資産、あなたはどれくらい準備できていますか?
貯金の他、すでに「NISA」や「iDeCo」、株式投資などに取り組んでいる人もいるかもしれません。でも、まだ何もしていないというなら、早めに着手するのがオススメです。
今回は、2024年7月26日にフリーランスなどに便利なスマホ会計アプリを提供する会計バンクが開催した『フリーランスのための最新資産形成セミナー』で、1級FP技能士の森川敏彦さんが話していた内容から、税制優遇制度を活用した資産形成のポイントの一部を紹介します。
■税制優遇制度とは?
資産形成の一つの選択肢となるのが投資です。そこで注意したいのが、投資をして得た利益には税金がかかるということ。投資で得た利益に対して、約20%を税金として支払う必要があるのです。そのため、投資をするなら、税金ともうまく付き合う必要があります。
とはいえ、日本には税制優遇制度という、投資で得た利益に対して税金がかからない優遇措置があります。投資初心者で、コツコツ資産形成をしたい人にはぴったりの制度です。今話題のNISAやiDeCoがこれにあたりますが、それぞれの活用のポイントを見ていきましょう。
■NISA活用のポイント
NISAは少額からの投資を行う人向けの「少額投資非課税制度」で、投資で得た利益が非課税となる制度です。
投資可能期間が2023年までという制限が設けられていましたが、2024年に大改正が行われてその期限が取り払われて恒久化しました。また、保有している金融商品の非課税保有期間も無期限に。そのため、資産が必要になるときまで、長期的に投資を続けるといったことが可能になりました。他にも、年間投資枠が合計360万円となり、生涯に渡って1,800万円の投資枠ができました。
この大改正を受け、長期的に資産運用を行っていくことができるようになったのに加え、投資の自由度が上がったというメリットがあります。
一方で、留意点もあります。それは損益通算、繰越控除ができないこと。マイナスになったものを売却してもマイナスのまま。プラスになった場合のみ非課税になるのです。短期的に投資をして利益を得るというよりも、長期的かつまた小額ずつ長期的に運用したい投資初心者に向いています。
■iDeCo活用のポイント
iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せされる、老後資金づくりを目的とする年金制度の一種です。個人が自ら掛金を出して運用し、老後資金を作ります。
一定の金額をiDeCoに入れる(拠出する)と、入れた金額は上限なしですべて所得控除を受けられます。また運用益は非課税です。受取時に「公的年金控除」または「退職所得控除」扱いとなり、いわゆる厚生年金や国民年金と同じ扱いとなるため、退職金のないフリーランスや個人事業主にとっては利用価値のある制度といえます。
留意点として、60歳までは受け取れないこと、受け取り方によってかかる税金が異なること、所定の信託報酬や口座管理手数料などがかかること、手数料を上回る運用を行わないと元本割れすることなどがあります。活用に際しては十分に事前知識を備えましょう。
いかがでしたか? これらのように、将来の老後資金に備えてコツコツ増やしていきたいという人にぴったりの税制優遇制度が複数あります。貯金でも問題はありませんが、少しでも資産を増やしたいという人は、NISAやiDeCoを活用することもぜひ考えてみてくださいね。