二宮和也が主演を務めた日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」が、9月15日に最終回を迎えた。各ドラマが視聴率を取れない時代ながら、最終回は世帯平均で12%、個人7.1%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。全話でも世帯平均で2ケタ視聴率を達成するなど、高い人気を維持したままドラマは終了した。そんな同ドラマに、早くも続編の噂が出ているという。
「『ブラックペアン』は、『シーズン1』では渡海征司郎が、『シーズン2』では双子の兄弟である天城雪彦が主人公。2役とも二宮が演じましたが、『シーズン2』の途中では渡海も登場。二宮は1人2役を演じることとなりました。『シーズン2』では紆余曲折の末、天城は死んでしまうんですが、最終回の最後のカットで渡海が登場して幕を閉じました。続編があるような演出となり、視聴者もSNSで大盛り上がりとなったんです」(スポーツ紙記者)
そんな「ブラックペアン」シリーズだが、TBS社内ではより稼げる映画版で続編を準備しているようだと、他局のテレビ局スタッフの間で話題だ。というのも今、TBSでは盛んに映画製作がされているのだという。CM広告収入が年々減る中で新たな収益源へと成長させようとしているからだそうだが、そんなTBSの内情を、他局の編成担当者がこう明かす。
「TBSは、木村拓哉主演で、2019年に放送された日曜劇場『グランメゾン東京』の映画版『グランメゾン・パリ』が今年冬に公開予定で、来年は目黒蓮主演の『劇場版トリリオンゲーム』、鈴木亮平主演の『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』の続編と、ドラマの映画版の公開が目白押しです。こうした流れを勢いづけること間違いナシなのが、現在公開中の『ラストマイル』の大ヒット。この映画は、ともにTBSで放送されたドラマ『アンナチュラル』(18年)、『MIU404』(20年)と同じ世界線で展開される作品で、巨大物流倉庫センターから配送された段ボール箱の爆発事件が起きる中で、『アンナチュラル』と『MIU404』の登場人物たちが映画で活躍するんです。両ドラマのファンが見ても楽しめる内容となり、興行収入も50億円を超えそう。いきおい、『ブラックペアン』映画版にも大きな期待が寄せられている、というわけなんです」
かつて人気ドラマを次々と映画化して一時代を気づいたフジテレビのように、TBSも映画で放送外収入を稼ぐ気満々のようだ。そんな中で、「ブラックペアン」シリーズ以外にも、映画化を狙うだろうと言われている作品がある。
「昨年大ヒットした日曜劇場『VIVANT』です。続編の制作が秘密裏で行われていると報じられてもいますが、映画版がもっとも主軸になっているという話。社会現象を巻き起こした大作なので、映画化されれば興収100億円も目指せますから、TBSが制作に乗り出さないはずはない。そのほかにも、『ラストマイル』の手法を使って、まだ映画化していないドラマの再利用も考えられる。『ラストマイル』は人気脚本家の野木亜紀子氏が、『アンナチュラル』と『MIU404』の脚本を手がけていたことで成立した。同じやり方で、売れっ子脚本家の複数の作品を使って、一本映画を作るということも可能になった。TBSは不動産事業が好調で資金がありますし、映画事業を中心とした新たな取組を次々と実現させていくようだ」(民放関係者)
若者がテレビを見ない時代と言われながらも、映画ではしっかりとヒット作が生まれている。テレビ局が映画事業に活路を見出すのは当然かもしれない。
(渡邊伸明)