10月10日、今年のノーベル文学賞がスウェーデン・アカデミーにより発表され、韓国の女性作家・韓江(ハン・ガン)氏が受賞した。
選考で「歴史的トラウマと向きあい、人間の命のはかなさをあらわにした強烈な詩的散文」と絶賛された同氏の作品。
2000年に平和賞を受賞した金大中氏以来となるノーベル賞の受賞に韓国国内は大盛り上がり。アイドルグループ・BTSのメンバーも祝福の声を寄せている。
一方で「今年もダメだったか…」と落胆をあらわにしているのが、作家・村上春樹氏の熱心なファン「ハルキスト」だ。
「『ハルキスト』の人たちは10年以上前からノーベル文学賞の発表の瞬間に集まり、村上氏が受賞する瞬間をみんなで見届けようとするイベントを行っています。今年も神戸や広島で集会が行なわれましたが、またもや悲願は叶わず、参加者の残念がる声が各紙で報じられました」(文芸誌編集者)
例年、大きな関心が寄せられるノーベル文学賞の行方だが、日本人作家の有力候補は村上氏だけではない。
「このところ、文芸界隈で『村上氏よりもノーベル文学賞に近いのでは』と言われているのが、ドイツ在住の多和田葉子氏。1993年に芥川賞を受賞して、毎日出版文化賞、読売文学賞と大きな賞を受賞しているのですが、日本人作家として突出しているのが海外の評価。アメリカで最も権威のある『全米図書賞』を2018年に受賞して以来、ノーベル文学賞の有力候補に躍り出ました。来年にも受賞の報が届くかもしれません」(前出・文芸誌編集者)
多和田氏に注目だ。
(塚原真弓)