結論から先に言わせてもらうと、橋本環奈は今後、女優として映像作品に出演するなら「福田組」こと福田雄一氏が監督や演出を務めるドラマや映画だけに絞ったほうがいいと思う。現在25歳の橋本が「NHK紅白歌合戦」で見せるMCとしての腕前は素晴らしいから、5年後の30歳を迎える頃には、多くのバラエティ番組を切り盛りできるMCとして輝いていてほしい。
このような考えに至ったのは、放送中のNHK朝ドラ「おむすび」第61話で恋人の翔也(佐野勇斗)から肩の故障を告白されている時には「眉毛をハの字にして怪訝な顔」をし、「頭にきたから翔也とは別れた」と両親に報告する時には唇をとがらせ「ムカついた顔」をし、第64話では幼なじみの陽太(菅生新樹)と高校時代の同級生だった恵美ちゃん(中村守里)から「オレたちな、つき合ってるんよ」と報告を受けた時には首だけを前に出して大きな口を開け「えっ?」と「驚いた顔」をし、第65話では「涙をこぼしてからのとびきりの笑顔」で翔也に「ウチと結婚してください」とプロポーズしていたからだ。
文字にすると何もおかしなところはないのだが、橋本がさまざまなシーンで見せていた「顔」が、TBSの「日曜劇場」でよく見る「顔芸」未満の「顔説明」にもほどがあり、演技としてまったく深みがないことに呆れてしまったのだ。せっかくのプロポーズシーンでさえ心を動かされるどころか、スンとしてしまった。
「顔説明」は、笑いを大切にする「福田組」では大事な「役者の仕事」の1つだ。しかし、演技力が豊かな役者がすれば「笑い」になるが、演技力が稚拙な役者がすると「寒い」になってしまうと思う。これまで橋本に「顔説明」をさせてきた福田氏の罪は深い。だから今後の「福田組」作品には常に橋本を出演させ、女優としての地位を守ってもらいたい。
また、福田氏が構成を担当するバラエティ番組がまだあれば、橋本のMCの腕前を磨ける「場の提供」もお願いしたい。NHKは「おむすび」で橋本の演技力改善を放棄した代わりに、「紅白歌合戦」というMCの腕前を磨く場を提供しているが、これだけでは足りないと感じるので、橋本に冠番組を用意してみてはどうだろうか。
全国の地酒をめぐる旅番組とか、橋本の自宅にあるワンセラーから「今週の1本」を選んで持参してもらい、ゲストと飲みながらあまたあるNHKの番組について語らうトーク番組とかなら、「おむすび」以上に橋本の魅力を引き出せるように思う。
(森山いま)