元タレント・中居正広氏による女性トラブルへの関与が疑われるフジテレビ。1月27日に同局で開かれた10時間以上に及ぶ「やり直し会見」でも、同局への世間の不信は続いており、このまま騒動が収束しない場合には同局への出演を躊躇するタレントが続出する事態にもなりかねないだろう。
同騒動では、密室でトラブルを起こした中居氏に対し、フジテレビの幹部男性が女子アナを「献上」するような関与があったと報じられており、多くのスポンサーが同局にCM差し止めを要請するという危機的状況を招いている。
そうした中、1月26日放送のT「サンデージャポン」(TBS系)に出演したモデルでタレントの藤田ニコルは、「にこるんもフジテレビの番組に出演していると思いますが、今回の問題は人ごとじゃない?」と質問され、「私も収録とか現場に行きますけど、自分がフジテレビの番組に出てたら、(世間から)何かを言われるようになってくるのかなと不安が…。出ると言われ始めちゃうのかな。不安なので、しっかりと会見をしてほしいな」とコメント。スポンサー企業と同じく、タレントもイメージ悪化を恐れてフジテレビへの出演に消極的になる可能性があることを危惧していた。
また、芸歴47年を誇る上沼恵美子も、同日放送の「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)で、17日にクローズドな会見を実施したフジ・港浩一社長(27日付で引責辞任)や、被害女性を守らなかった同局への批判を展開。その上で、2月にフジテレビの番組に出演する機会が2度あると明かし、「普通にメール来ますよね。“ご迷惑をおかけしておりますが、いついつに実行いたしますので何時に入ってください”って来てるけど、“いいのかなぁ~”って思うわけですよ。“行っていいのかなぁ”って」と、ゴタゴタが続く現状から、同局へ出向くことに戸惑いがあるのだという。
「現時点ではフジテレビの番組に出演しているタレントへのバッシングは見られないものの、75社以上の著名スポンサーがCM撤退している中で、継続してCMを流している企業には、一部から人権を軽視しているとして、不買運動を匂わせるような反応もみられます。そうした批判のホコ先が出演タレントにも向き始めるリスクは十分に考えられます。すでにドラマ制作現場では局のイメージ悪化により、ロケの交渉に難航するケースが急増。行政が関わるようなロケ地はほぼ使用が許可されず、街頭インタビューすら拒絶されてしまうとも報じられています」(テレビ誌ライター)
タレントからも見捨てられる事態とならぬよう、フジテレビとしては何としても信頼回復に努める必要があるだろう。
(木村慎吾)