小関裕太が仕事のできる優しくていい人な恋の当て馬役を2クール連続で演じていることに、何とも言えないもどかしさを感じている。
放送中の「御曹司に恋はムズすぎる」(フジテレビ系)では、永瀬廉演じる主人公の御曹司・天堂昴が片思いする相手の花倉まどか(山下美月)が憧れている、仕事のできる優しい上司・成田理人を小関は水を得た魚のように好演している。しかし、前クール放送の奈緒主演ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(TBS系)で演じていた、佐藤ほこ美(奈緒)を好きなエリート上司・大葉奏斗と同じようなキャラのため、パリッとしたスーツ姿で仕事をしている成田(小関)を見ていると、既視感のようなものに襲われてしまうのだ。
「天才てれびくんMAX」(NHK Eテレ)に出演していた頃の小関はまだ小学生だったので、その頃のことを思い出すと「大きくなったな」と芦田愛菜に抱くのとよく似た感情が湧き上がってくる。が、次に思い出してしまうのが内田理央主演ドラマ「来世ちゃん」こと「来世ではちゃんとします」(テレビ東京系)で演じていた、地味だけれど清潔感があって女性にモテる「メンヘラ製造機」の松田くんを好演していた姿なので、小関が「人畜無害な仕事のできるキャラ」を演じていると歯がゆさが湧きおこってきてしまうのだ。
2023年7月期放送の田辺桃子とのW主演ドラマ「癒やしのお隣さんには秘密がある」(日本テレビ系)で演じた、超イケメン御曹司だけれど実はストーカーの仁科蒼真役が驚くほど似合っていたから、そろそろまた「ダメなほう」に振り切ったキャラを演じてほしい。人畜無害な恋の当て馬キャラは、もうお腹いっぱいだ。
(森山いま)