松村北斗もシソンヌ・じろうも、戸塚純貴も田中圭も大好きだからなのか、川口春奈主演「アンサンブル」(TBS系)を見ているともどかしく思ってしまう。ドラマとして進展がないというか、「この放送回ではこのシーンとこのシーンを見せたい」と考えているシーンを、ただ単純につなげた動画を見せられている感じというか、とにかく「何を見せられているんだ?」ともどかしさが止まらない。
川口演じる主人公の瀬奈も、週刊誌に取材されるほどの「敏腕弁護士」という設定だが、どこが「敏腕」なのかわからない。自分に理解力が足らないのかと思い、「アンサンブル」に対する声をネット上で拾ってみたら、みんな同じようなことを指摘しているから、これは作品として「ヤバイ」状況ではなかろうか。
川口に対して「かわいそう」と思ってしまうこの感覚は、2021年10月期放送の「SUPER RICH」(フジテレビ系)で主演した江口のりこに抱いた気持ちと非常によく似ている。
川口や江口だけでなく、出演しているすべての役者の方々が不憫だ。瀬奈(川口)は今後、松村演じる真戸原優と田中演じる元恋人の宇井修也という2人の間で揺れる気持ちを演じる予感がするけれど、物語上も、ちゃんと「恋心」が描かれていてくれることを祈るばかりだ。
(津島修子)