3月7日放送の「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)第7話が放送される前に、ネット上で目立つ「阿南検事(瀧内公美)の生い立ち不要説」を唱える人々に考えを改めてもらいたい。
2月28日放送の第6話の放送終了後に「阿南検事の生い立ちなんてどうでもいいよ」「阿南検事は法曹界の偉い人の愛人の子どもってわかったけど、それこのドラマに必要?」「22年前の東賀山事件の真相にまったく近づかなくてイライラする。阿南検事とその母の話に何の意味があるのかな」といった声が視聴者からネット上にあがった。が、阿南由紀検事はこのドラマにおいて、非常に重要な人物だと思う。
特に2月7日放送の第3話を思い出してもらいたい。検察庁の自室で、阿南検事が見ていた大学の卒業式と思われる写真の右端に写っていた人物が、光の加減でまったく見えなかったことを覚えているだろうか。松風弁護士を演じる松山ケンイチに「おしゃべりハッスルじじい」と名付けられた鳴川徹弁護士(間宮啓行)が第6話から途中参加し、もと検事の弁護士=ヤメ検であること、民事にしか興味のない息子が代表の「豊沢法律事務所」に所属していること、今さら婿養子になったこと、嫁の実家は大会社であることを早口で自己紹介していたが、阿南検事は鳴川弁護士の婚外子だと思っている。
また、鳴川弁護士と妻の間にできた息子と阿南検事は同い年、同じ大学に通っていたとも思われる。阿南検事が検察庁の自室で見ていた写真の、光の加減で顔が見えなかった右端に写っている人物こそ、鳴川弁護士の息子ではないだろうか。
鳴川弁護士は「民事しか興味のない息子」よりも「検察庁“本部係”初の女性検事」の阿南検事に目をかけているような気もする。そのことを阿南検事も実は感じていて、冤罪事件など起こしてならないと躍起になっているのではないだろうか。父・春生(リリー・フランキー)に愛されて育った心麦(広瀬すず)を、阿南検事は心のどこかで嫉妬しているようにも感じた。阿南検事は父親のことを「あの人」と呼び、たびたび電話で話している「青いカラビナの男」のことも「あの人」と呼んでいるから、「鳴川弁護士=青いからカラビナの男」ではないかと踏んでいる。
第7話では何がどこまで解き明かされるだろうか。
(森山いま)